離婚調停で失敗しないために

 

いざ離婚調停をすることになり、裁判所に行ったものの、何が何だかわからないうちに自分が不利な状況になっていた、なんてことがよく起こっています。

よく調停は本人でも出来るので自分で頑張りますが、裁判になったら先生にお願いします、などとおっしゃる相談者の方が一定数いらっしゃいます。

その言葉はある意味正しくて、調停には決まった型はなく、自分でもなんとかなることもあります。要は、裁判のように書面主義ではないため、裁判のお作法やルールを知らなくても、調停を進めていくことが出来るからです。

しかし、自由であるが故に言ってはいけないことを言ってしまったり、出してはいけない書面を出してしまったりして、不利な状況を覆せないことも多々あります

先ほどのような事例で、「訴訟になったので来ました。先生お願いします。」と言われて、調停での資料を見て愕然とすることがあります。

すでに書面や調停でのやり取りで、争う余地が消されてしまっており、訴訟から弁護士が入っても、相談者の方が望むような結果は到底導くことが出来ない状況であり、本人はそのことに気づいていない、ということがあるのです。

そういう場合、私は「私の出来ることは○○であり、××や△△をお望みでしょうが、この状況では無理だと思います。」と明確に提示します。

それでもとご依頼頂く場合もありますし、肩を落とされて帰って行く方もいらっしゃいます。
そうならないためのポイントをお話ししていきます。

書面をむやみに提出する

離婚調停でやってしまいがちな失敗例の中で最も多いのが何も考えずに、やたらと書面を出す方がいらっしゃいます。

感情的な対立が深まることが殆どですし、何より悪いのは書面として相手の手に渡った以上、以後の手続きで証拠として利用することが出来ると言うことです。

書面は最小限に刷る
調停においての鉄則です。

相手への不満を言い続けてしまう

離婚を考えているのですから相手に不満があるのは当然です。

こちらは離婚したいのに、相手が応じてくれない場合はまだしも、お互い離婚では合意しているのに「悪いのは相手と言うことを証明する」などと裁判所の役割を勘違いされている方が散見されます。

離婚に合意した以上、離婚原因は不問となり、あとは離婚条件を詰めていく手続きなのに、相手への不満を述べ続ける人がいます。

早期解決のためには相手への不満を言い続けるは逆効果です。

もっとひどいのは、離婚したくないと言っているのに、離婚したい人間のように相手の悪口をひたすら言い続ける方がいらっしゃいます。
中には、離婚を拒む人の代理人が、そのような書面を出してきたりします。

相手の不満は、必要かどうかをよく検討して、言わざるを得ないときでも端的にわかりやすく述べることが肝要です。

離婚条件について相場を逸脱する自己の希望固執してしまう

調停という裁判所における手続きを利用した以上、ある程度相場を見据えた条件提示をする必要があります。
以前離婚調停において「慰謝料3000万円」と述べてきた方がいらっしゃいました。
こともあろうか代理人もついていた事案でした。

上記のような相場を逸脱した条件は、「だったら裁判をやる」という大きな契機となってしまいます。
裁判所において獲得できる金額には相場があるので、相場を理解した上で条件提示をすることが早期解決には必要です。

以上、調停で失敗しないためのポイントを述べてきました。
すでに調停となっており、心当たりがある方もいるかもしれません。
もし、そう思ったらこれからでも良いので気をつけて調停に臨んで下さい。

調停を経験した方ならおわかりと思いますが、本人だけだとその場その場でアドリブにて判断を求められますし、調停員も上から目線で自分の意見を押さえ込んでくることもあります。

出来れば、弁護士をつけて臨む方が納得のいく結果を導きやすいと言えます。
事案によっても異なりますので、まずは当事務所の初回無料相談を是非ご利用下さい。

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執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

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