ＤＶ・モラハラ被害者が不貞をしてしまったら

日々DVとモラハラに苦しみ、その辛さを異性に相談するうちに男女の仲に・・・ということは正直よくあるといえます。

しかし、本来被害者であるはずのモラハラ・ＤＶ被害者の方が、不貞行為により一瞬にして加害者扱いされてしまう可能性があるため、思いとどまるべき理由を述べていき、その後、既に不貞行為をしてしまった場合の対処法を説明していきます。

不貞行為をしてしまうことのリスク

不貞行為をしてしまうと「有責配偶者」となり、ご自身の意思では離婚できなくなってしまう可能性があります。

長期間の別居、未成熟子がいないこと、および、慰謝料などの支払いという要件を満たさない限り離婚できなくなってしまいます。

不貞行為は、探偵の調査や昨今誰もが利用しているＬＩＮＥの履歴などで、不貞行為があったことを証明する難易度はモラハラ・ＤＶに比べて容易と言えます。

不貞行為をするには一定の行動を取る必要があり、知らず知らずのうちにパターン化されるため、足が付きやすいといえます。

それに比べてＤＶ・モラハラは密室で行われ、第三者が介在しないときに行われているものなので、証拠がなかなかないのが現状です。

そういった意味でも安易に「私は被害者だから」と考えずに離婚までは不貞行為を避ける方が賢明です。

また、ご自身が有責配偶者となると、相手方に生活費である婚姻費用を請求しても、お子様の養育費分しかもらえなくなってしまいます。

「相手に金銭面で頼ろうなんて思わない」

とお考えになるかもしれませんが間違っています。

というのは、もう戻らないと言っている配偶者に対して生活費を支払い続けることは、耐えられないことであることが多く、この婚姻費用を支払いたくないがために早期離婚に応じることが多いのです。

子どもの養育費分は結局離婚しても支払うことになるため、

「同じなら急がなくてよいな」

と思われてしまうことになり、人によっては浮気された腹いせに

「離婚しないでやろう」

と考えることがＤＶ・モラハラ夫には多いと言えます。

もし既に不貞行為がある場合

この記事を読んでいるということは、既に不貞行為に及んでおり、ＤＶ・モラハラ夫にそのことがばれてしまったという方もいるかと思います。

そういった対処法について述べていきます。

まず、不貞行為を認めないところから始める必要があります。

そういった事実があったとしても、証拠がない限り裁判所では不貞の事実があったとは認められません。

匂わせるだけであったり、推認される証拠だけなら、不貞行為はないと認定される可能性もあるのです。

しかし、探偵によるラブホテルへ出入りする調査報告書がある場合、ＬＩＮＥで性行為があることを直接書いてあったり、そういったことをしている画像・動画などがある場合は、かえって相手の神経を逆なでするので、争わない方が賢明です。

次は、性交渉が始まった時期には夫婦関係が破綻していると主張していくことになります。

夫婦のＬＩＮＥなどで家庭内別居をしていることが書いてあったり、離婚について何度も話し合っていることが残っていれば、主張することは可能です。

最後は、ＤＶ・モラハラの事実を可能な限り立証していき、双方有責配偶者となるように争います。

これが認められれば、通常の離婚同様、３年程度の別居により離婚が認められるため、相手方が早期離婚に応じたり、裁判官が強く和解離婚を求めてくることになります。

以上説明してきましたが、まだ不貞行為に及んでいなければ、正式な離婚が決まるまで不貞行為はもちろん誤解を生むような行動は控える。

仮に、既に不貞行為に及んでしまい、そのことがばれているなら、それを前提に戦うことになります。その場合でもあきらめる必要はありません。

当事務所では、裁判所で不貞相手の不貞行為が認定されている事案でも、相手のＤＶを立証し、離婚を認めさせたこともあり、事案によっては戦うことも可能でなのです。

是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。

事案に即した解決を導くため、有益なアドバイスさせていただきます。