ガスライティングを理由に離婚できるか?弁護士が徹底解説

1.ガスライティングとは?見えない心理的虐待

「言ったはずのことを『そんなことは言っていない、あなたの勘違いだ』と否定される」「私が怒ると『大げさだ、君は神経質すぎる』と嘲笑される」「自分しか気づかないような些細な嫌がらせ(物を隠すなど)を繰り返される」

このような配偶者の言動に日々悩まされ、「私がおかしいのだろうか」「自分の記憶や感覚が信じられない」と追い詰められている方は、「ガスライティング」の被害に遭っている可能性が非常に高いです。

ガスライティングとは、意図的に誤った情報を与えたり、記憶や感情を否定し続けたりすることで、被害者に「自分が間違っている」「自分はダメな人間だ」と思い込ませ、精神的にコントロールして支配しようとする悪質な「心理的虐待(モラハラの一種)」です。

身体的な暴力やあからさまな暴言がないため、被害者自身も虐待を受けていることに気づきにくく、周囲からも「ただの夫婦喧嘩」と片付けられてしまうため、孤立しやすいという非常に恐ろしい特徴を持っています。

2.ガスライティングを理由に離婚はできるのか?

ガスライティングによって自己肯定感を奪われ、「この人がいないと私は生きていけない」と依存状態に陥る前に、異常な環境から抜け出して離婚を決断することが重要です。

夫婦双方が離婚に合意すれば、理由を問わず「協議離婚」や「調停離婚」を成立させることができます。

しかし、ガスライティングを行う加害者は、自分を正当化して相手を支配することに執着しているため、簡単には離婚に同意しないケースがほとんどです。

相手が拒否した場合、最終的には裁判所に強制的に離婚を認めてもらう(裁判離婚)必要がありますが、そのためには民法で定められた「法定離婚事由」が存在することを証明しなければなりません。

ガスライティングそのものは法律上の直接の離婚原因として明記されていませんが、その行為によって夫婦の信頼関係が完全に破壊され修復不可能であると証明できれば、「その他婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項4号)」に該当するとして、裁判で離婚が認められる可能性があります。

3.裁判で勝つための最大の壁は「証拠集め」

ガスライティングを理由とした離婚裁判で最も高いハードルとなるのが、「客観的な証拠の確保」です。

殴られたあざ(写真)や不倫の証拠(探偵の報告書)のような明確な証拠が残りにくく、加害者の手口も巧妙であるため、証拠がなければ裁判所で「単なる夫婦のすれ違いや被害妄想」と片付けられてしまう危険性が極めて高いのです。

そのため、離婚を切り出す前に、相手に気づかれないように以下の証拠を長期間にわたって集め続けることが勝利への絶対条件となります。

・相手の暴言や、事実を歪曲してあなたを否定している会話の「録音データ」や「録画」

・相手から送られてきた理不尽な内容の「メール」や「LINEの履歴」

・「いつ、どこで、何を言われたか(何をされたか)」を克明に記録した「日記」や「メモ」

・心身に支障をきたし、心療内科や精神科を受診した際の「診断書」や「通院履歴」

・警察、DV相談センター、女性相談所などの「公的機関への相談記録」

4.慰謝料の請求は認められるのか?

ガスライティングなどの精神的DVによって精神的苦痛を受けた場合、離婚の成立と併せて、相手に対して慰謝料を請求することができます。

しかし、慰謝料が認められるためにも、前述した「ガスライティングの客観的証拠」と、それによってうつ病などの「精神的被害が生じたという証明(医師の診断書など)」が不可欠です。

証拠が不十分なまま感情的に「慰謝料を払え」と要求しても、相手に言い逃れをされるだけで、裁判所も慰謝料の支払いを命じることはできません。

慰謝料の相場は、被害の期間や悪質性、精神的ダメージの程度によって数十万円から数百万円と幅がありますが、適正な金額を獲得するためには、弁護士のサポートを受けながら戦略的に証拠を構築していく必要があります。

5.子どもの「親権」を奪われないために

ガスライティングの加害者は、「お前みたいなおかしい人間に子どもは育てられない」などと脅し、親権を奪おうとすることがよくあります。

被害者は洗脳状態にあるため、「相手の言う通りかもしれない」と萎縮して親権を諦めてしまうケースが少なくありません。

しかし、親権の決定において最も重視されるのは「これまでどちらが主に子育てをしてきたか(監護実績)」であり、「子どもにとってどちらの環境が幸せか(子の福祉)」という客観的な基準です。

あなたが日常的に子どもの世話をしてきたのであれば、相手の暴言に屈する必要は全くありません。

親権を確実に獲得するためにも、相手の言葉に惑わされず、弁護士に代理人として間に入ってもらい、法的に適正な主張を行ってもらうことが重要です。

6.安全に「別居」を実行し、洗脳から抜け出す

ガスライティングの加害者と同居したまま離婚の話し合いを進めるのは、精神的なダメージが拡大するだけでなく、相手の巧妙な誘導によって離婚の意思を挫かれてしまうリスクが高いため非常に危険です。

まずは、相手の支配から物理的に逃れるために「別居」を実行し、安全な場所へ避難することが最優先です。

ただし、行き当たりばったりで家を飛び出すと生活が困窮し、結局相手の元へ戻らざるを得なくなってしまいます。

相手に別居の準備を気づかれないように慎重に以下の準備を進めてください。

・当面の生活費や引越し費用の確保(相手の口座から生活費を引き出す場合は弁護士に相談を)

・別居後の仕事の確保や、利用できる公的支援(生活保護や児童扶養手当など)の事前調査

・別居先を突き止められないための、自治体への「DV等支援措置(住民票や戸籍の閲覧制限)」の申し出

・子どもの転校や保育園の転園手続き

7.一人で戦わず、必ず弁護士を味方につける

ガスライティングの被害に遭っている方は、「自分が悪いのだ」という思い込み(マインドコントロール)から自力で抜け出すことが非常に困難です。

「少しでもおかしい」と感じたら、まずは心療内科や公的なDV相談窓口に助けを求め、客観的な意見を聞いてください。

そして、離婚や別居を決意した場合は、絶対に相手と直接話し合おうとせず、速やかに離婚問題やモラハラに強い弁護士に相談・依頼してください。

弁護士が代理人となってすべての交渉の窓口を引き受けることで、あなたは加害者と顔を合わせたり直接連絡を取ったりする恐怖から完全に解放されます。

また、集めた証拠が裁判で通用するかどうかの見極めや、不足している証拠の集め方のアドバイス、さらには財産分与のための相手の財産調査(隠し財産のあぶり出し)まで、弁護士が法的なプロとして全面的にサポートしてくれます。

洗脳状態から脱却し、あなたらしい人生と笑顔を取り戻すために、まずは勇気を出して弁護士の無料相談を利用してください。

是非島・鈴木法律事務所初回無料相談をご利用ください。

離婚弁護士として事案に即した適切なアドバイスをさせていただきます。

執筆者
島武広 
島・鈴木法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

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