熟年離婚の退職金

熟年離婚において退職金の存在が離婚を決断する決定打になったなどとおっしゃる方が最近増えています。
確かに退職金は数千万円になることもあり、離婚後の生活設計をする上で、非常に重要な存在となります。
ここでは熟年離婚における退職金について述べていきます。

まず、退職金も財産分与として受け取るものですので財産分与について説明していきます。
財産分与の対象になるもの、ならないものは下記のとおりです。

①財産分与の対象になるもの

財産分与の対象になるのは、夫婦で築いた『共有財産』です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 現金
  • 不動産
  • 家財道具(車なども含まれる)
  • 夫婦で加入した保険
  • 夫婦で買った株などの有価証券
  • 夫(妻)の退職金
  • 夫(妻)の年金
  • 夫婦生活のために借りた借金(家のローンなど)

これらの共有財産は、たとえ相手名義になっていても対象になります。

②財産分与の対象にならないもの

反対に財産分与の対象にならないものとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 結婚前に貯めていた個人的なお金
  • 結婚前に購入した財産(車、土地など)
  • 結婚時に実家から持ってきた家具家電
  • 個人的に購入した有価証券(株券、社債など)
  • 自分の親から相続した財産(現金、不動産など)
  • 洋服や化粧品などの個人的な持ち物
  • 個人的に借りた借金

③財産分与は半分で分けるのが基本

財産分与の割合は、基本的に2分の1ずつ分けることになります。

退職金について

本題の退職金ですが、財産分与の対象になります。
退職金支給額の半分を請求したいところですが、そうはなりません。

実際財産分与の対象になるのは、

別居日もしくは離婚日に退職した場合に支給される額(①)を当該会社に在籍していた日数(②)分の婚姻期間(③)で掛けた金額の2分の1

①×③/②×2分の1

となります。

例えば、別居日時点に支給される退職金が900万円、勤務期間が25年、婚姻期間が20年の場合

900万円×20/30×2/1=300万円となります。

 

退職金がまだ支払われていない場合

退職金が支払われていない場合、退職金が支払われる可能性の度合いを3つの基準から判断して、対象にするかどうか決めます。

4つの判断基準
・会社に退職金を支払う規定があるかどうか
・配偶者が会社に在籍していた期間はどれくらいか
・退職金が支払われるまでの期間はどれくらいか
・配偶者の方の職業

を基準に、現実的に受け取りが見込めるかどうかを判断します。

退職金を使い切ってしまった・使われてしまった場合

財産分与をする前に、退職金を使いきってしまったり、勝手に使われたりしてしまった場合、退職金を財産分与として請求できません。
不動産などその他財産があるのであれば、その財産を代わりに財産分与してもらうこともありえます。

以上を考えると、退職金が支給される前に離婚の協議を始め、至急前に財産分与の金額を決め、いざというときは退職金を差し押さえられることが重要です。
ですので、退職金を考えて離婚される方には支給日から2,3年前に別居と離婚の申し出をすることをおすすめしています。

 

以上熟年離婚の退職金について説明してきました。
実際は事案ごとにどうすべきか対応が異なってきます。
また、熟年離婚では財産分与の額が高額になることが多いです。
しっかりと財産分与をして新しい人生をスタートするには、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
あとで後悔することなのようにしっかりとアドバイスさせて頂きます。

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

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