夫の昔の不倫を理由に離婚することや慰謝料請求をすることはできる?

そういった相談がたまにされることが多いです。
中には、時効完成しているからと勘違いし、そのことを教えてもらわないまま調停期日に行き、そこで初めて「主人に浮気されたのが辛かった・・。」などと聞くことがあります。
ここではそんな勘違いをしないで済むように配偶者への慰謝料請求について説明していきます。

まず基本的な慰謝料請求の時効について説明していきます。

慰謝料請求の時効(2020年4月1日民法改正に対応)

民法724条は下記のように規定されています。

不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する
第1号 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき。
第2号 不法行為の時から20年間行使しないとき。

慰謝料請求の時効の起算日はいつから?

条文から、不法行為の慰謝料請求の時効が「3年」もしくは「20年」ということだとして
「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」もしくは「不法行為の時」とはいつの時点になるでしょうか。

時効の進行が開始される日を起算日といい、起算日は①離婚しなかった場合と②離婚した場合で起算日が異なります。

① 離婚しなかった場合

配偶者に対して慰謝料請求をする場合(離婚しなかった場合)の時効の起算日は、原則、次のとおりになります。

被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時 配偶者が不貞行為をしていることを知った時
不法行為の時 最後に不貞行為があった時
もっとも、婚姻関係が続いている限りは、時効で消滅することはありません。

民法159条によって、婚姻関係が継続中と婚姻関係を解消から6ヶ月経過するまでは、時効の完成が猶予されているのです。
民法159条
夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

② 離婚した場合

配偶者に対して慰謝料請求をする場合(不貞行為を理由に離婚した場合)の時効の起算日は、次のとおりです。

被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時 離婚が成立したとき
不法行為の時 最後に不貞行為があった時
不貞行為の慰謝料請求の時効の更新・完成猶予の方法

不貞行為の慰謝料請求の時効を完成が迫っている場合には、時効の延長(時効の更新・完成猶予)をしましょう。

慰謝料請求の時効の更新・完成猶予の方法

慰謝料請求の時効の更新・完成猶予の方法としては、次のとおりです。

① 慰謝料請求訴訟を提起する

慰謝料請求の場合、裁判所に慰謝料請求の訴えを提起することで、時効の完成が猶予されます。

② 内容証明郵便で慰謝料を請求する

内容証明郵便などの確定日付のある書面によって慰謝料請求を求めることによっても、時効の完成を猶予することができます。
慰謝料の請求があったときから6ヶ月が経過するまでの間は、時効の完成が猶予されます。

さらに、完成の猶予を望む場合には、6ヶ月以内に裁判を提起するなどの手段にでる必要があります。

③ 強制執行、仮処分、仮差押を行う

慰謝料を支払うことにすでに合意をしている場合、もしくは、慰謝料の支払いを命ずる判決がすでにある場合で、支払いを求めているにもかかわらず、相手が支払わない場合には、相手の財産につき、強制執行、仮処分、仮差押をできることがあります。

そして、相手が支払わない状態で時効の完成を迎えそうな場合には、強制執行、仮処分、仮差押の手続きを行った場合にも、時効の完成が猶予されることになります。

以上、夫に昔の不貞行為の慰謝料を請求する場合についての時効について述べてきました。

裁判準備には数か月要することもあります。
「6か月あるのか」
などと安心せずに早めに専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
権利が消えないようにしっかりとアドバイスさせて頂きます。

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

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