離婚調停は弁護士なしでも大丈夫?

「訴訟になったら先生にお願いするつもりですが、調停は自分でやろうと思います」

という方がそれほど多くはないのですが一定数いらっしゃいます。

ご自身で調停を行う際の注意点を述べていきます。

離婚調停は弁護士なしでもうまくいくのか?

端的に回答すれば

「出来なくはないがかなり大変だと思う」

相談にいらっしゃる方に対し、今いる場所から新大阪まで行くとして、徒歩で行くのか電車・新幹線を利用するのか位の違いがあります、と説明しています。

徒歩でもいつの日か新大阪まで行くことは可能ですが、その苦労は並大抵ではありません。時には道を間違えてまったく見当違いな方向に歩くこともあると思います。

調停を自分で行うことはそれくらい大変ではあるけど不可能ではないというのが私の見解です。

離婚裁判になると手漕ぎボートで沖縄に行くくらい大変になってしまいほぼ不可能だと思いますが、この点は別の機会に譲ります。

何が徒歩で大阪に行くくらい大変なのか具体的に述べていきます。

①調停当日何か聞かれるかわからない

調停は話し合いの場所であるのですが、事前に何を話すかわかっている場合は非常に少ないといえます。

当日行ってみてはじめてその日に話す内容を把握することになります。要するに、現場でのアドリブ力が必要になります。

おそらくほとんどの方が初めて行う離婚調停は参加すること自体大変であるのに、法律的知識を弁護士ほど有しない皆さんが完璧なアドリブ力を発揮して、自己に有利な主張をして、自己に不利な主張をしないで乗り切るというのはかなりのレアケースだと思います。

よく相談にいらっしゃる方から

「次回調停で私は何をしたらよいですか?どうしたら上手くいくでしょうか?」

とお聞きいただくのですが、「大変申し訳ないのですがわかりません」と答えています。というのは上で述べたように離婚調停は行ってみないと何を話し合っていくかわからないことによります。

ですので相談でお答えできるのは、裁判だったらどうなるかという法律的な見解が中心になってしまいます。調停を上手く行いたいのであれば私に依頼して一緒に参加させて頂くと間違いないのですが・・・、と言う場合もあります。

そういったアドリブ力ですが私は得意なのですが、弁護士の中にも不得意な方もいらっしゃいます。プロである弁護士ですらそうなのですが一般の方なら尚更だと思います。

②正解がわからない

いわゆる離婚弁護士であれば正解が何か、裁判をすればどのような結末になるか大体見当がつきます。

それに対して、皆さんご自身で離婚調停を行っていく場合、一つ一つ決まっていく事項が本当に正しかったのか、今決めようとしていることが本当にそれでよいのか、自分は損をしていないのか、という疑念を持ったまま調停を行っていくこととなります

余程心臓の強い方でない限り、その心労はかなりのものとなるのではないでしょうか。

③調停委員対策

調停員の方は、皆さんとても親切でよく話を聞いてくれ、こちらの立場に理解示してくれ、とても頼りにしています・・・ということは残念ながらありません。

銀行や百貨店や公務員などを勤め上げた方が定年後裁判所に来て調停員をやっていらっしゃいます。

中には非常に柔軟かつ説得力をお持ちで、弁護士になったら私より売れるな、などと思う方もいるのですが極々僅かです。

基本的には自分の意見こそが正しく自分の意見を双方に受け入れさせることに心血を注ぐ方が多いです。ひどい場合には双方の代理人が期日間に話し合って合意した調停条項に「もっとこうすべきだ」と真顔で指図してくる調停員もいます。

弁護士なしでご自身が調停に参加する場合、調停員の方はほとんどのケースで「俺の話を聞け」「私の話を聞きなさい」という態度になってしまうのが現状です。

そういった方が、調停員がおかしい、もう耐えられないと言って当事務所に相談へ来て、そのままご依頼頂くと、私と参加した調停で「本当に先生が入るとこんなに変わるのですね・・・」とおっしゃいます。

残念なのですが、弁護士相手にもマウンティングを取ろうとする方も多くいるため、そういった「対調停員」で多くのストレスを抱えることがあるのです。

対策としては、法律に基づいた主張をしっかりしていく他ありません

ですから、ご自身で離婚の法律や実務の取り扱いについてよく勉強していかないと調停員に「これでいいでしょ?」的な提案を甘受しなくてはならなくなります。

④相手に弁護士がついている

「武器対等の原則」という言葉がありますが、相手に弁護士がついているのに、ご自身だけで調停を行うのは武器不対等になってしまいます。

相手は新幹線で新大阪まで来ているのに、自分は徒歩で向かい、更に新大阪に着くや否やボクシングで対決しろ、と言われた場合勝負の結果は目に見えていると思います。

ボクシングに例えたのは離婚調停(離婚協議もですが)を基本戦いと考えているからです。しっかりと作戦を練った上で効果的な攻撃・防御を行っていき勝利という結果を目指していくことは双方に共通すると思います。

話がそれましたが、相手に弁護士がいると、調停員も相手の意見に従う可能性が飛躍的に上がり、どうしても劣勢になってしまいます

相手方で弁護士をつけない方も最近多いのですが、法律的に通らない主張をされても「裁判すればそうはならない。受け入れる余地はない。」

主張していくことで調停員が相手方を説得してくれます。

⑤適切な調停条項の作成

無事調停成立したとしても、作成される調停調書がご自身のご意向に沿ったものであるという保証はありません。その点は、ご自身が調停条項の文言が自ら望んでいた法律的効果を生むのか判断しないとなりません。

親権、養育費、年金分割などわずかな定型事項のみなら大丈夫でしょうが、条項がその事案独自のものであればあるほど、後悔する火種となりかねません。

 

以上述べてきたようなデメリットをすべて回避する手段があります。

そうです、弁護士に依頼することです。

弁護士に依頼するデメリットは弁護士費用を支払うことだけとなります。

上で述べてきたようなご自身で行った場合の苦労と弁護士費用を天秤にかけ、ご自身でよ

いと思われる方を選択すればよいのです。

最近、必ずしもプラスにならない弁護士を選択される方が多くなっていたりしますが・・・。

 

どうしてもご自身で行うという場合、当事務所には6か月55000円(税込み)で無制限にアドバイスを受けられるバックアッププランもございます。

まずは、弁護士に相談してご自身でどこまでできるかを確認されることをお勧めします。

数は少ないですがご自身でも大丈夫というケースもありますので。

当事務所の初回無料相談を是非ご利用ください。

 

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執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

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