熟年離婚 大学の学費について

熟年離婚を選択される場合、一定の割合でお子様が成人しているものの、大学に通っていることや近いうちに大学へ進学することがあります。
そういった場合、「私だけでは学費を支払えない」「奨学金を利用させるのはかわいそう」などと言って離婚をためらう方がいらっしゃいます。
そんな熟年離婚における大学の学費についてここでは説明していきます。

1 計算方法

大学の学費負担額は、裁判所において概ね決まっています。
学費や施設費など大学に納める金額を出し、その金額から公立学校相当分(259,342円)を引いた金額を出します。
その金額を父母の収入比で案分します。
案分額を12等分して毎月の養育費に上乗せすることになります。

例えば、1年にかかる学費が1,259,342円で、父の収入が600万円、母の収入が400万円、子どもが母と暮らしている場合

125万9342円-259,342円=100万円
父母の収入比が3対2、したがって父の負担額は60万円となり、
その12分の1である5万円を毎月の養育費に加算して支払うことになります。

2 別居・離婚前から大学に通っている場合

この場合、父は子どもが大学に行くことを認めているのですか、別居や離婚したから支払わないとは言えません。
1、 で述べた計算方法に基づいて計算した額を請求できます。
相手が拒否すれば裁判所に調停を申し立てればいずれ支払いを認めてもらえます。

3 別居・離婚後に大学に入学する場合

この場合簡単には支払いを認めてもらえません。
下記のような事情で判断していきます。

まず、父母の学歴が重要になります。例えば、両方高卒というケースより、両方東大卒という場合では後者の方が圧倒的に学費の支払いが認められやすくなります。

次に、お子様をどのように養育してきたかが重要です。
例えば、殆どの生徒がそのままエスカレーター式に進学する大学付属の小中高に入学させておいて、大学の学費は支払わないというのは認められません。
また、誰もが大学に行く進学校に入学させておいて大学の学費は支払わないというのも通用しないでしょう。
他には習い事なども影響する場合があります。
事案ごとに判断材料は変わってきます。
ご自身で判断が付かない場合、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

そして一番考慮されるのは、別居後の父子関係です。
頻繁に面会交流を実施し、進学についても随時相談し、父親も応援すると言ってくれていた場合などは学費の支払いを拒否できません。
逆に、何の連絡もなく、面会交流もしない状況で、大学に進学したから学費を支払えと言われるケースでは裁判所は学費を支払わなくてよいと判断する傾向にあります。
ですので、私は、離婚が決まった時に、依頼者の方へ、「お子様に、奨学金を使って大学に行くか、これからも父親と仲良くして随時相談して学費を援助してもらうか、本人よく説明された方がよいですよ」と話しています。
多くの依頼者の方が、相手への感情から後ろ向きの話をされるのですが、一応知識として知ってもらった方がよいと思い、お伝えしています。

 

以上、熟年離婚でよくある大学の学費について説明してきました。
学費を支払ってもらえるかは、個別の判断となりますので、お悩みの際は是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
事案ごとの見通しとすべきこととすべきではにことをアドバイスさせて頂きます。

 

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

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