離婚と別居

別居は下記に述べるとおり、離婚にとって非常に重要なことといえます。

離婚を焦るがあまり、何の考えもなく別居すると後悔することもあり得ます。

そういったことのないように、ここでは離婚における別居について述べていきます。

別居には

  • 夫婦関係の破綻の起点になる
  • 財産分与の基準時になる

という離婚において非常に重要な意味があります。

 

1 夫婦関係破綻の起点になる

日本は法治国家のため、裁判所において離婚を認めてもらうために、民法に規定されている離婚事由があることが必要です。

もちろん、不貞行為やDVといった即離婚事由ありとなるような案件は限られており、殆どの事案は、この別居期間を稼いで夫婦関係の破綻ありとされるのです

また、別居を開始すれば、相手もいつかは離婚が認められてしまうという状況に置かれることとなり、特に男性であれば諦めて離婚に応じる可能性が高くなります。

夫婦関係の破綻に必要な別居期間ですが、概ね3年程度が目安とはなりますが、実際はケースごとに変わってきます。

 

2 財産分与の基準時になる

離婚をするとなれば、財産分与をすることとなりますが、別居が財産分与の基準時になります。

財産分与は婚姻期間中に形成した財産は、配偶者の協力があるから形成されると民法や裁判所は考えているため、離婚時に財産分与が認められるのです。

別居後は、その「協力」がないのですから、以後の財産形成は夫婦それぞれが行ったと評価されるのです。

財産分与の基準時次第で、財産分与の結果が大きく変わることもあります。

そのため、後で別居開始時を争われないように、別居の意思を形に残るもの、内容証明郵便やLINEなどにより相手に伝えることで残しておきましょう。

 

3 別居のデメリット

別居は以上のとおり、離婚においては非常に重要なものですが、デメリットもあります。

復縁を困難にする

一緒に住めないなら意味がない、婚姻費用を払いたくないなどと考えて相手から離婚を求めてくる可能性もあります。

 

証拠収集が難しくなる

財産分与をするには相手の財産を把握しておく必要がありますが、別居してしまうと相手の財産を調査できません。

 

別居前に準備すべきこと

住む場所を確保する

当たり前ですね、野宿するわけにはいきませんので。

子供の生活環境を整える

学校をそのままとするのか、転校するのかなどあらかじめ決めておく必要があります。

証拠を確保する

上で述べたように財産分与をするために必要な相手の財産を把握することはもちろん、不貞行為・DV・モラハラなどの証拠を集めることも別居後は困難です。

別居前に集められるだけ集めましょう。

 

まとめ

以上、離婚と別居について述べてきました。

別居は、自身が望む離婚を実現するために必要不可欠な重要事項です。

それゆえ、安易に別居すると失敗を招く恐れがあります。

離婚・別居を考えているなら、まずは当事務所の初回無料相談をご利用ください。

なすべきこと、してはいけないことはもちろん、離婚までの見通しもアドバイスをさせていただきます。

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

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