離婚届を提出する前に検討すること

離婚自体は離婚届を出すことで成立しますが、離婚に際して決めなくてはならないことはたくさんあります。

「顔も見たくない」「早く離婚して好きな人と一緒になりたい」

などの理由で拙速に離婚だけを決めてしまうことは後々後悔することになってしまいます。

そうならないためにしっかりと決めることを決め、その内容を書面に残して憂いのない形で離婚すべきです。

以下順に述べていきます。

 

1 離婚に際して決めるべきこと

決めるべきことはたくさんあると言いましたが、大まかに言えば

① 離婚するかどうか

② 子どもの話

③ お金の話

実はこれしか決めることはありません。

2 離婚の合意

拙速に判断するくらい焦っていると言うことは、多くの場合離婚自体は合意していることかと思います。

注意するとすれば、離婚の前提条件があるかどうかです。

子どもとお金の話をはっきりさせようとしたら

「そんな話なら離婚できない」

などとならないように注意してください。

3 子どもの話

ここで決めるべきは、養育費、親権、面会交流の3つになります。

養育費は算定表があり、面会交流は月1回という不文律が裁判所の運用にはあるので、争いになれば裁判所へ行くことで、妥当な範囲にて決着させることが出来ます。

問題は親権です。

子どもの体は1つであり、親権と監護権の分離がほとんど認められない現状では、親権に争いがあるとどうしても裁判まで行ってしまいます。

そうならないためにしっかりとした合意をして、そのことを文章化しておきましょう。

4 お金の話

決めるべきことは、慰謝料、財産分与、年金分割となります。

年金分割は最悪裁判所に行けば認められるので後回しすることも可能ですが、慰謝料と財産分与は揉めることがよくあります。

また、一度合意してしまうと後から財産があることが判明しても、追加して財産を得ることは認められないので、しっかりと調査してから合意することが必要です。

慰謝料については明白な証拠がないのであれば、裁判所でも認められないため、請求するか、請求するとしてどこまで求めるかは考えるべきでしょう。

 

5 口約束は危険

言った言わない話になってしまうと、裁判所では言ったと主張する方に立証責任が生じてしまいます。
やはり離婚について合意した内容はしっかりと書面にすべきです。

そして養育費はもちろん、慰謝料・財産分与を長期の分割払いとするなら、公正証書にしておくべきでしょう。

公正証書にすることで、裁判等を経ずに強制執行をすることが可能となります。

強制執行を出来る状態にすることが心理的重圧となり、履行をしなければならないと相手に思わせることも出来るのです。

ここで注意したいのは、何でもかんでも公正証書にすれば良いと言うことではないということです。

公正証書とは、その日時、その文章が存在することを証明してくれるものであり、強制執行出来るかどうかはその内容にかかっているのです。

公正証書にする場合、その内容を弁護士にチェック・起案してもらい確実に強制執行出来るようにすることが肝要です。

6 さいごに

以上離婚届を提出する前に検討すべき事項を述べてきました。

以上の内容を過不足なく適切に遂行することはなかなか難しいことです。
離婚を決め、相手方と離婚に伴う諸条件について話合いが出来ているなら、その内容に問題がないか弁護士に相談することをおすすめします。

専門家である弁護士の意見が「問題なし」であれば憂いなく離婚を進められますし、「問題がある」となれば修正することで後々の後悔をしないようにすることが出来ます。

まずは当事務所の初回無料相談をお気軽にご利用ください。

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

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