医師の離婚問題

皆さんご存じのとおり、医師の方は総じて収入が高いです。

特に開業医の方は、我々の想像を超えるような高収入を得ていらっしゃることが多いです。

そんな医師の方の離婚についてここでは説明していきます。

医師の離婚原因

やはり不貞行為が断トツの離婚原因となります。

医師の方の特殊性ですが、夜勤や当直を利用して逢瀬を作出する方がいらっしゃいます。

大きな病院の勤務医で、配偶者の方も特にスケジュールなどに関心がないという場合、いとも簡単に不倫することができます。

不倫相手も看護師の方が非常に多いです。

看護師の方も夜勤や当直があるため、外出する理由を作出しやすいのです。

ただ、医師の配偶者の方と異なり、看護師のご主人は異変に気付いて不貞行為の証拠を押さえる方が多くいらっしゃいます。

過去の案件では、不貞相手の看護師のご主人から内容証明郵便が届くというケースが多くありました。

 

また、医師同士の不倫も看護師の次に多いといえます。

やはり、双方が夜勤や当直を理由にできるのです。

 

それに対して開業医の方、特に夫婦で医師をされている場合、不貞はあまり聞いたことがありません。常に一緒にいるため、怪しい行動が取れないことやそもそも公私で一緒にいるほど仲が良いケースが多い印象です。

開業医の方の不倫は、奥様が病院に興味がなく、ご主人が看護師と仲良くしても気づかないケース多いといえます。

 

他の離婚事由は、DV・モラハラとなります。

医学部に入った時から周りから敬意を示され、

「先生、先生」

と言われ続けてきた人生ですので、自分に逆らうことは断じて許しがたく、DVやモラハラにつながるケースがあるようです。

とはいっても、不貞行為に比べたら圧倒的に少ないといえます。

DVについて詳しくはこちら>>

モラハラについて詳しくはこちら>>

ワンオペ育児に疲れるケースもたまにあります。

医師の方は基本的に激務であり、ストレスが溜まるため、家庭のことまで手が回らないことが多く、中にはそのことに不満を覚えて別居する方もいらっしゃいます。

ワンオペ育児について詳しくはこちら>>

医師の財産分与

繰り返しとなりますが医者は一般的に高収入であることから、財産分与の対象となる財産も高額になることが見込まれます。

財産分与の割合は、原則として2分の1ずつというルールがあるのですが、高額な共有財産の形成について、特別な資格の取得や技能の習得等、医者個人の努力によるところが大きいと認められる場合には、その事情を考慮して、夫婦の貢献度に応じた割合で財産分与がなされるケースもあります。

特に開業医の場合、所得が5000万円などざらであり、1億円を超えるケースも珍しくありません。そういった場合にも2分の1というのは認められない可能性が高くなっています。問題になるのは、法人化しておらず、クリニックの入っているビルを所持しているケースなどでは財産分与が揉めに揉めるケースもあります。

勤務医の方は、給与所得を得ているのでサラリーマンと変わらないのが通常です。

 

医療法人を経営している場合、法人名義の資産は、原則として財産分与の対象にはなりません。「法人」と「個人」は法的に別人格であることから財産分与の対象にすることはできないのです。

税務上医療法人には特典が多く、開業医の方のほとんどは法人化されています。

財産分与について詳しくはコチラをご覧下さい>>

婚姻費用・養育費

養育費や婚姻費用も高額化するケースがあるため、注意が必要です。

養育費・婚姻費用は、主に夫婦の収入状況を基準に算定されるため、高収入であるほど高額になる可能性があります。

 

婚姻費用や養育費は、家庭裁判所の「算定表」に基づき算出されるのが一般的です。

しかし、「算定表」には給与所得者で2000万円、自営業者で1409万円を上限とする年収の記載しかなく、年収がこれを超える場合は「算定表」をそのまま使うことはできません。

このように、「算定表」の上限を超える年収がある場合の算定方法は、裁判例によっても異なり、統一がなされていないため、個別に検討し、算定するほかありません。そのため、算定方法について争いが生じる場合があります

具体的事案によって変わってきてしまうため、離婚に精通している弁護士に相談することが肝要です。

 

医師のお子様は、医学部に通っている、あるいは、これから進学する予定があるといった場合が少なくありません。その場合、養育費の支払い終期を大学卒業までとする等の取り決めが必要になります。

仮にそれを拒んでも、小学校から医学部進学者が多き私立学校に進学させている、医学部専門の予備校に通わせているなど事情があれば、裁判所でも認められる可能性があります。

以下では、よくある問題点を回答していきます。

 

Q:近々、年収が上がる見込みです。養育費の決め方はどうなりますか?

A:養育費は、原則として現在の収入を基準に算定されます。ただし、収入が確実に上がることが明らかで、そのような事情が分かる資料があれば、増額後の収入を基準として養育費の算定がなされる可能性もあります。

自らそのことを申告するのか、成り行きに任せるのかは、例えば、給与所得なら年始なのか年末なのかでもことなりますし、個人事業主なら確定申告までの期間などで変わってくると思われます。

そのあたりは具体的事案によって異なりますので、離婚に精通している弁護士に相談することをお勧めします。

 

Q:配偶者を病院の職員にしている場合、離婚の際に解雇することはできますか?

A:離婚することを理由として病院の従業員である配偶者を解雇することはできません。

配偶者であることと、雇用契約による使用者と労働者の関係にあることは、別次元のものです。

この場合、多少の出費を覚悟しても、職員を辞めてもらう方向で調整すべきといえます。

逆に、医師が相手で自分に病院での地位がある場合、そこをテコにして交渉をしていけばよいことになります。

 

Q:代々医者の家系で、子供を跡継ぎにしようとしている場合、親権はどうなりますか?

A:親権者をどちらに定めるのかは、子の利益を基準にして判断します。

そして、医師の家の方が経済力があるから親権を取れるということもありません。

基本的には奥様側が有利になります。

仮に親権者が相手になっても、親子であることは変わりませんので、本人に病院を継いでほしいと打診し、本人が受け入れるなら、親権者が何を言おうと、後継者にすることができます。

 

Q:配偶者の実家の医院を継ぐために相手の両親と養子縁組している場合、離婚によって養子縁組は解消されますか?

A:配偶者と離婚したとしても、配偶者の両親とした養子縁組が当然に解消されることはありません。

ただ、通常は、かわいい子供を幸せにしなかったわけですから、養親は離縁を望むでしょうし、子どもとの離婚が成立していれば、裁判所は離縁を認める可能性が高いといえます。

医師の離婚は、離婚問題に精通した弁護士に相談を

以上医師の方の離婚について述べてきました。

高収入や地位の特殊性から、通常の離婚とは異なり、修正要素が多々あるため、そういった知識やノウハウを持って離婚する人とそうではない人では結果に大きな差が出ます。

利益不利益も大きくなる以上、専門家である弁護士のサポート受けて解決することをお勧めします。

ただ、昨今昔からの顧問弁護士や企業法務に精通している弁護士が、医師の方の離婚代理人になるケースが散見されますが、従前の経験がないのか、

「こんなことも知らないのか・・・」

ということがあります。

一つの争点で大きなお金が動くのですから、顧問弁護士の方が離婚に強いのでなければ、離婚に精通している弁護士に相談だけでもすることをお勧めします。

是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。

離婚弁護士として、最適な方法をアドバイスをさせていただきます。

 

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

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