経済的DV夫への対処法
・ もくじ ・
夫が生活費をろくに入れず、更にわずかなお金の使い道に口うるさい。
そんな夫にお悩みの方はいらっしゃるのではないでしょうか。
経済的DVの典型例といえます。
以下見ていきましょう。
経済的DVとは
経済的DVとは、家族から金銭的な自由を奪い、経済的に追い詰める行為のことをいいます。
代表的なものとしては、
・生活費を入れてくれない、もしくはほんの僅かな生活費しかくれない
・お金の使い道をこと細かく追及される
・働くことを許してくれない
・手元に自由になるお金がない
といった場合があります。
私が担当したケースでは1000万円以上の収入がありながら生活費をほとんど渡さず、実家からの借り入れで何とか生活していたケースもあります。
経済的DV夫は改心するのか
経済的DV夫は改心するのでしょうか?
原則的には非常に難しいです。
お金に対する執着は長年かけて培われたものであり、一朝一夕で改善するものではありません。
過去の案件では離婚調停で、どうしても復縁したい夫が「財布を全部渡す」と提案することが多くありましたが、それまでの不信感を挽回することができず結局離婚至っています。
ですので、本当に財布を渡すか確認した事案はありません。
離婚に向けた話し合いになるや否や夫はとても細かく財産分与について意見するため、
「騙されなくてよかった」
とおっしゃる方が多かったです。
経済的DVをする夫の大部分は、かなりのやきもち焼きで、経済的だけではなく、精神的にも束縛してきます。そういった精神を急に改善できるかというと中々難しいものがあります。
また、単に将来のために蓄財しているならまだ救いがあるのですが、実際は自分の趣味などには湯水のごとくお金を使う方が多いといえます。そういった「幼さ」も改心を阻む大きな原因となります。
一番の問題は、経済的DVの被害者から「あなたはおかしい」と言われても反発するだけだということです。
信頼のできる第三者や場合によっては弁護士に間に入ってもらう必要があるかもしれません。
いずれにせよ、経済的DVは簡単に改善しないといえます。
経済的DVの夫とは離婚したほうが良いのか?
他人である弁護士如きがいう問題ではありませんがこれだけは言えます。
経済的DVに苦しんでいた依頼者の方はその後活き活きと生活しており後悔などしていないということです。
先にも述べているとおり、相手が変わる可能性が低いのですから、今まで耐えてきた状況が継続されるのです。
もしそれを受け入れられるなら、このようなホームページを見ることもないのではないでしょうか。
家計の収入は下がるかもしれませんが、普段もらっていた生活費より多くの婚姻費用、養育費および自分の収入があります。
そのお金はすべてご自身で使い道を決定できます。
そうはいっても離婚をためらう気持ちも十分理解できますので、下記では離婚した場合を見ていきましょう。
夫と離婚する場合、あなたが夫から受け取れる費用として、以下のものが確保されます。
財産分与
養育費
慰謝料(※場合による)
年金分割
財産分与とは、婚姻中に築いた財産を意味します。
例えば、現金、不動産、自動車、有価証券、投資信託、保険の解約返戻金相当額、年金、家具家電などです。
これらの財産を原則2分の1ずつ分与になります。
子どもの親権者になれば、子どもの養育費を請求できます。
夫の収入が高いのであれば、相応の額を請求できます。経済的DVをする人はえてして収入が高い場合が多く、そのような場合従前の生活費を遥かに上回る養育費を受け取れます。
慰謝料は、経済的DVが原因で離婚したことや、経済的DVによって受けた精神的苦痛に対しての賠償金です。
経済的DVの内容を、DVを受けた日付をつけてメモしておくことや録音、心療内科などの診断書、家計簿、預金通帳など証拠を確保する必要があります。
ただ、認められるケースは限られ、更に慰謝料自体の金額も低廉となることが多くイメージとしては数十万円程度といえます。
年金分割は、婚姻中に夫婦のそれぞれが納めた厚生年金掛け金を合算して、各自2分の1ずつ自身の支払った掛け金にするという制度です。
多くの場合女性側の受け取る年金額が上がります。
他にも、別居すれば、婚姻費用すなわち生活費を相手に支払わせることができます。
簡単に言うと、養育費+配偶者の生活費となります。
この婚姻費用を支払わせることでケチな経済的DV夫は「1日も早く離婚したい」と思うようになり、こちらの条件で買いたたくことが可能となる、という副次的効果もあります。
3 経済的DVで離婚はできるのか?
基本的には、それだけを理由に離婚できるケースは少ないです。
しかし、経済的に異常と言える相手の資質に働きかけていく策を講じることで、相手をどんどん離婚の方向へ導くことが可能です。
そうはいっても離婚原因があるに越したことはなく、同居したままで離婚の話し合いをするのは夫が暴発する恐れもありますので、やはり別居することが賢明であり、別居することで一定期間経過後に離婚が認められることとなります。
4 さいごに
以上経済的DV夫について述べてきました。
昔であれば我慢するのが女性の美徳のような社会の雰囲気もありましたが現代にはまったくあてはまりません。
ご自身の人生は夫のためではなく、ご自身と可愛いお子様のためにあります。
このまま経済的DV夫に支配され続ける人生を選択されるのでしょうか。
そうはいっても離婚するかどうか決断する際にわからないことや知っておきたいことが山ほどあるかと思います。
そんなときはぜひ離婚の専門家である弁護士に相談しましょう。
経済的DV事案を多く手掛けてきた弁護士であれば、多くの有益なアドバイスをしてくれるはずです。
是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
人生の岐路に立ち、決断するかどうか不安な皆さんに、多くの判断材料を提供させていただきます。
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島法律事務所
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。
初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>
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