DVへの対応と各種相談機関について

DVには各種相談機関がります。

取扱う内容毎にそれぞれの専門機関があるため、目的に合わせて適切な機関に相談するようにしましょう。

また、DVに関する保護を受けるためには、各種相談機関への相談が前提条件となっていたりします。一日も早く相談することをお勧めします。

以下、述べていきます。

DVへの対応

住民票等の閲覧・交付制限

DVの被害者は、住民票のある市区町村や戸籍の附票のある市区町村に、「住民基本台帳事務における支援措置申出書」を提出することにより、DV等支援措置を求める申出をすることができます

市区町村が支援措置の必要性を確認できた場合には、加害者からの被害者に係る住民基本台帳の閲覧や、住民票、戸籍の附票の写しの交付請求が制限されるなどの措置がとられます。期間は1年ですが、延長も可能です。

保護命令

DVの程度が酷く、今後もDVのおそれが大きいときは保護命令制度の利用が考えられます。

保護命令とは、配偶者からの身体的暴力や生命等に対する脅迫を受けた被害者が、更なる身体に対する暴力により、生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときに、裁判所が被害者からの申立てにより、配偶者に対して発する命令のことをいいます。

 

なお、配偶者のみならず、生活の本拠を共にする交際相手から暴力等の場合も、保護命令の申立が可能です。

 

命令の内容として、

①被害者への接近禁止命令

②被害者への電話等禁止命令

③被害者の同居の子への接近禁止命令

④被害者の親族等への接近禁止命令

⑤被害者と共に生活の本拠としている住居からの退去命令

の5つの類型があります。

 

DV防止法に基づいた裁判所を通じた命令であり、違反した場合には直ちに警察も直ちに対応してくれますので(保護命令が発令されますと、裁判所から県警本部宛にその旨の連絡がされます)、保護命令には一定の効果があります。

 

保護命令については,地方裁判所への申立が必要で、保護命令の要件の検討が必要なため、経験のある弁護士に詳細はご相談下さい。

 

健康保険

DV被害者が,以下の証明書などを取得して年金事務所で所定の手続をすれば、加害配偶者の協力なしに被扶養者から外れることは可能です。

また被害者に同伴する子どもについても、同様に被扶養者から外すことも可能です。

 

・婦人相談所が発行する配偶者からの暴力の被害を受けている旨の証明書

・裁判所が発行する保護命令に係る書類

・配偶者暴力相談支援センター等の公的機関が発行する配偶者からの暴力の被害を受けている旨の証書

を取得して所定の手続をとって下さい。

住居

一時保護施設などの一時保護の住居は、緊急時の利用で短期間(2週間から1か月程度)しか使えません。

そこで、その後は自分で住居を探すことになります。以下の施設も利用にあたって検討すると良いでしょう。

 

① 母子生活支援施設

福祉事務所が窓口となります。

② 婦人保護施設

③ 公営住宅

DV被害者に対しては、優先入居の取扱があります。

詳しくは役所の担当機関に確認してください。

④ 学校

一時保護施設に子ども連れて入った場合、入所期間は通学ができませんので、注意が必要です。

なお、DV被害者と一緒に避難している子どもについては、住民票を移動しなくても、実際に済んでいる市町村の学校に通学することができます。

DVの各種相談機関

警察 

身体の安全確保については、最寄りの警察署に相談して下さい。

暴行・傷害・脅迫・強要での被害届の提出も考えられますが、そこまで至らない場合でも加害者に対し警察から指導・警告の措置をとってもらう方法があります。110番緊急通報登録システムへの登録もしておくとよいでしょう。登録により警察が臨場する時間が短縮されます。

 

また、DV被害者が避難する際に、事前に警察にDVの相談をしておけば、仮に加害者が捜索願を出そうとしても警察は受理しません。

配偶者暴力相談支援センター(DVに関する全般的な相談)

配偶者暴力相談支援センターでは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、

①相談や相談機関の紹介

②カウンセリング

③被害者及び同伴者の緊急時における安全の確保及び一時保護

④自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助

⑤被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助

⑥保護命令制度の利用

についての情報提供その他の援助を行っています。

 

婦人相談所

売春防止法第に基づき、各都道府県に必ず1つ設置されていますが、配偶者暴力相談支援センターの機能を担う施設としても位置付けられています。DVからの一時保護については、婦人相談所が自ら行うか、婦人相談所から一定の基準を満たす者に委託して行います。

 

福祉事務所(今後の生活・社会福祉面)

生活保護や児童扶養手当の受給決定など、社会福祉全般の窓口となります。経済面で不安がある場合には、相談して予め今後の生活設計を立てると良いでしょう。母子生活支援施設などへの入所も福祉事務所が窓口です。

DVの保護命令

保護命令とは、裁判所からDV加害者に対して出すもので、被害者への接近禁止命令、被害者への電話等禁止命令、被害者の子への接近禁止命令、被害者の親族等への接近禁止命令、自宅からの退去命令があります。

 

保護命令の申立てあたっては、配偶者暴力相談支援センターや警察に相談や保護を求めた事実が必要になります。その上で、裁判所に対して、書類で申し立てを行うことになります。

 

以上DVの対応と各種相談機関について述べてきました。

1日も早く平穏な日が来るように、早めに専門家に相談することをお勧めします。

是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。

関連記事

DVに関する離婚相談

DVへの対応と各種相談機関についてはこちら>>

DV被害に遭われている方へ>>

経済的DV夫への対処法はこちら>>

でっち上げDVへの対処法はこちら>>

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

離婚に強い弁護士に
相談・依頼する
メリット
もっと見る
お一人で抱え込まず、
弁護士にご相談ください。
お一人で抱え込まず、弁護士にご相談ください。
初回相談無料
神奈川県横須賀市大滝町1-25ー1
横須賀ベイビュービルディング5階
初回相談無料 受付時間 平日 9:00~18:00 夜間応相談
-->