コロナウイルス感染症の流行を理由に面会交流を拒めるか
2020年から流行しているコロナウイルス感染症ですが、このコロナウイルス感染症の流行を理由に面会交流を拒むことはできるでしょうか。
そのような相談が多いためここで説明していきたいと思います。
まず、面会交流とは、子を監護養育していない親が、子どもに面会して交流する権利のことです。
面会交流の取り決めは通常離婚時に決められますが、中には当人同士の協議離婚で特に約束がない場合もあります。
基本的には取り決めに従うということになり、多くの場合「子の福祉」に配慮して面会交流の実施を決めることになります。
ですので、コロナウイルス感染症の状況により、面会交流を実施することが子の福祉に反するといえる状況であれば延期・中止することもあり得る、というのが答えとなります。
あくまでも、無理に面会交流を実施すると子供が罹患してしまい入院したり、後遺症が残ってしまうのを防ぎたいという理由が必要であり、気に食わないからコロナウイルス感染症を理由にして会わせたくないということは認められません。
そういったことを考慮していくと、蔓延防止措置や緊急事態宣言が出ていることや双方のどちらかが属するコミュニティー(学校、会社など)で患者が出て、行動制限がかかっているような状況が必要になるのが通常です。
そういった事情がないのに「コロナウイルス感染症が不安」というだけで面会交流を制限できるのであれば、実質なんでもありになってしまうため、相手も納得しないでしょう。
一般的な話として、面会交流を制限できるのは、具体的には以下のような事情がある場合を言います。
・アルコール依存症や性格破綻
・子どもに暴力をふるう子どもの心を動揺させるなど悪影響を与える
・経済力があるにもかかわらず養育費を支払わない
・子どもが面会交流を望んでいない
といった場合です。
このような場合と同視できるときにコロナウイルス感染症を理由に面会交流を制限できるとお考え下さい。
ただし、面会交流を実施する上での条件については柔軟に対応できるといえます。
マスク着用、手洗い、消毒などは当然です。
例えば、今まで食事をしていても、コロナウイルス感染症の流行を理由に食事をなしにすることはできるでしょうし、
相手が公共交通機関を利用しないで自家用車などで面会交流実施場所に来てもらう、
交流場所を屋外で密が生じない場所に変更する、
実施時間を早朝や夕方以降など人手の少ない時間にする
などは、子の福祉に沿ったものであり、認められて然るべきと言えます。
私の担当した事案では、
PCR検査をして陰性であることを証明しろと要求されたことがありますが、さすがに過剰要求だと思います。
簡易の抗原検査キットを相手方用意して、実施してほしいというくらいであればまだしも、PCR検査を毎月要求するのは行き過ぎです。
どうしても懸念があり、面会交流を実施できない場合、何もなしではなく、
LINEのテレビ電話やzoomでの面会など、代替案を提示し、今後の面会交流再開の条件を明示すれば、相手も協力をしてくれるのではないでしょうか。
面会交流権利者の皆さんは、1か月に1度の面会交流を指折り数えて楽しみにしています。
面会交流実施後、涙される方も多いです。
そういった相手の気持ちに寄り添うことがコロナウイルス感染症下において面会交流を有益・安全にできる大きな理由になります。
以上コロナウイルス感染症を理由に面会交流を拒めるか、について述べてきました。
流行の状況次第ということになりますが、具体的には個々の事情によるかと思います。
・相手がとても面会交流ができる状況ではないのに実施を強く求めてくる
・蔓延防止措置も適用されていないのに会わせないと言い続ける
などお悩みがありましたら是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
具体的に採るべき方法をアドバイスさせていただきます。
島法律事務所
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。
初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>
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