夫婦関係の破綻とは?
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離婚を裁判所に認めてもらうには、法定されている離婚事由を認定してもらう必要があります。
そのうちの1つに「夫婦関係の破綻」があります。
夫婦関係の破綻という言葉を知っている人は多いのですが、実際に本当の意味を分かっている方は少ないといえます。
ここではそんな婚姻関係の破綻について説明していきます。
法定離婚事由は絶対に必要?
離婚は、法定離婚事由がなくても夫婦が合意すれば離婚できます。
法定離婚事由が必要なのは、相手方が離婚を拒んでいる場合になります。
離婚訴訟に至る事件もそのほとんどが離婚条件の齟齬が原因であり、離婚自体には争いがないことが殆どです。
ですので、相手が離婚に同意してくれているのであればよいのであって、それは現時点では合意できなくとも、離婚訴訟が終わるまでのどこかで得られれば良いのです。
特に、女性から離婚を求める場合、男性はどこかで諦めて離婚を受け入れることが非常に多いです。
別居し半年から1年経つとかなりの確率で諦めます。
法定離婚事由とは
法定離婚事由とは、民法が定める離婚原因です。
法定離婚事由は以下の5種類です。
①不貞行為
②悪意の遺棄
③3年以上の生死不明
④回復し難い精神病
⑤その他婚姻関係を継続し難い重大な事由
となります。
そして、⑤婚姻を継続し難い重大な事由があります。
この婚姻関係を継続し難い重要な事由があることを夫婦関係が破綻しているとしています。これは、ひとつの事情だけではなく、複数の事情を総合考慮して判断します。
DV・モラハラ
夫が妻にひどいDV行為をしている場合には、夫婦関係が破綻していると判断されることが多いです。
モラハラについては、即離婚とはならないため、確固たる証拠(強度の暴言がかなりの頻度で繰り返されていることがわかる音声データ・録画など)が必要です。
長期間の別居
夫と妻が長期間別居していると、夫婦関係の破綻が認められる可能性が高くなります。
婚姻期間にもよりますが、3年間以上の別居期間があれば、1つの目安となります。
性の不一致
相手が理由もなく性交渉を拒絶したり、性的不能者であたったり、同性愛者であるなど、性交不能や継続的な性交渉の拒否または一方の性的異常には、婚姻関係の破綻が認められる可能性があります。
夫婦関係が破綻していると認定してもらうためには
他の事件と変わりませんが、離婚事由を基礎づける事実を証拠に基づいて主張立証していく必要があります。
特に客観的な証拠の有無が重要です。
たとえば、DVであれば、診断書、写真など
モラハラであれば、音声データ、LINEやメールのやりとりなど
となります。
また、日常的につけている日記についても証拠となることがあります。
離婚前の性交渉はなるべく避ける
長期間の別居などで婚姻関係が破綻しているのであれば、別の異性と性交渉を伴う交際をしても違法にはならず、慰謝料も発生しないのが通常です。
しかし、夫婦関係が破綻したか判然としない時期や、破綻の証拠もない場合に、配偶者以外の人と性交渉をすることは、要注意です。
あなたの配偶者以外の人との性交渉によって、夫婦関係が破綻したと認定されるおそれがあるのです。そうなったら、あなたは「有責配偶者」となるので、あなたの方からの離婚請求は難しくなります。
それだけでは済まず、配偶者からは、あなたや不倫相手に対して、慰謝料請求をされる可能性があります。
したがって、離婚成立前に別の異性と交際(特に性交渉)を行う前に、一歩立ち止まって、本当に夫婦関係は破綻しているのか、それを証明できるのか、検討した方がいいでしょう。
法定離婚事由がないが離婚したい場合
夫婦関係破綻を示すような離婚事由になりそうな事情がない場合には、どのようにすれば良いのでしょうか。
以下方法を挙げていきます。
相手に同意してもらう
法定離婚事由がなくても相手が離婚に同意すれば離婚はできます。
ですので、離婚をお願いしてみましょう。
どうすれば同意してくれるかは、婚姻生活を継続してきたご自身の方が詳しいのではないでしょうか。
相手の性格からしてこうしたら離婚してくれるはずということを精一杯考えて提案してみましょう。
別居する
相手が離婚に応じてくれない場合には別居しましょう。
3年程度の別居があり、復縁の意思がないとなれば、余程の事情がなければ裁判所も離婚を強く推してくれます。
ただ、ご自身が過去に浮気をしたなど有責配偶者に該当する場合は話が変わってきます。
そのような場合は別居もそれほど意味がなくなってしまいます。
離婚調停を申し立てる
調停を申し立てると離婚への覚悟と決意を相手に示すことができます。
第三者である調停委員から説得され、このまま離婚を拒んでも仕方ないと納得してくれる場合もあります。
婚姻費用分担調停を申し立てる
男性側が離婚を拒んでいる場合、婚姻費用分担調停を申し立てなるべく高額の婚姻費用の支払いを決定してもらうことも非常に有効です。
男性側の思考の問題なのですが、どうせ戻ってこない人にお金を払うことに合理性を感じない人が多いです。
離婚すれば、子どもがいれば養育費に、いなければ支払いなしになります。
毎月支払う金額が高ければ高いほど、離婚に傾く可能性が高くなります。
以上、夫婦関係の破綻について述べてきました。
実際には、夫婦関係の破綻が認定されてはじめて離婚するケースはほとんどなく、私が担当した案件でも100件に1件もありません。
それくらい双方の合意で離婚することが殆どです。
法定離婚事由がないからといって安易に諦めることはせずに、まずは専門家である弁護士に相談しましょう。
是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
離婚に向け有効な第一歩を示させて頂きます。
島法律事務所
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。
初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>
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