相手の慰謝料請求を排斥して調停離婚した事案

年代　４０代
性別　男性
職業　自衛隊員
居住地　横須賀市
年収　８００万円程度
相手方　
４０代　女性　会社員
居住地　県外
年収　３００万円程度
子供の有無　あり　
別居の有無　あり
解決までの期間　８か月
争点と結果　離婚、財産分与、養育費、慰謝料
慰謝料の有無　なし
財産分与の金額　１０００万円程度
解決金　なし

相談のきっかけ

依頼者の方は、家庭内のトラブルで家族との別居を強いられ、そこから離婚を求められ、
離婚についてはやむなしと考えましたが、相手方の要求が受け入れがたく、なかなか合意
に至らず、相手は代理人を付けて調停を申し立てました。その後調停が始まりましたが調
停員は決めつけをして依頼者の方の話を聞いてくれないと困り、当事務所に相談にいらっ
しゃり、そのまま受任となりました。

弁護士の着眼点

依頼者の方の話を聞く限り、調停員が事実認定のようなことをしているため、そこを止め
させ通常の流れに戻してから、離婚条件を詰めることとしました。
結果
すでに数回実施された調停に代理人として初めて参加した最初に、調停員の言葉を遮り、
従前の進行について抗議し、調停員にはそのような権限はないはずであり、以後断じて止
めるように言い、調停員から謝罪を受けました。
残念ながら、このような調停員はまだ存在します。司法試験を受けてもおらず、法律的に
は素人にもかかわらず、決めつけで事実認定をして「認めろ」などと言います。
横須賀の家裁での事件だったため、調停員は私のことを知っているため、後は大人しくな
り、初日だけで依頼者の方に大きな感謝をされました。
以上の交通整理をした後に離婚条件に付いて詰めていきましたが、未解決の付属事項がい
くつかあるためそこを１つ１つ解決していきました。
期日間に代理人間での交渉も続け、大体の条件は出揃ってきました。
財産分与や養育費を算定表通り支払うことなどは当然であり、残ったのは慰謝料でした。
事案からして訴訟となった際に、慰謝料が認められるかは非常に微妙であり、認められて
も数十万円というレベルの話でしたが、私が入る前に３００万円などという話があり、さ
も当然のように相手方はその主張を維持していました。
調停員はそれが当然のようなことを言っていましたが、そんな判例は存在しないこと、各

種記録を取り寄せたところ、３００万円などということは全体になく、１００万円も認め
られないことを主張しました。
しかし、相手方は３００万円でないなら訴訟で構わないと回答を迫りました。
依頼者の方は、従前の経緯から疲れ果ててしまっており、受け入れるか検討したいと言い
、次回期日に回答することとしました。
期日間に関係機関にも確認を取り、懸念は杞憂に過ぎず、訴訟なら慰謝料が認められるか
も怪しいと再度意見を伝えました。
期日前に依頼者の方から「先生を信じて慰謝料を断ります」との言葉をいただけたので、
相手代理人にすぐに連絡し、こちらの意向を伝えました。
すると３００万円以外はみとめないという相手方が条件を変えてきました。
おそらくこの辺りが落としどころと読み、依頼者の方に説明しながら調停期日で交渉を続
けたところ、無事に慰謝料なしで調停成立となりました。
依頼者の方は、何度も何度も頭を下げては感謝してくださいました。
私の入る前の状況は地獄のようだったと涙ながらに振り返っていらっしゃいました。
依頼者の方が最後に勇気を出して相手の提案を断ったため、非常に良い条件での離婚成立
となりました。
最初から最後まで弁護士を信頼してくださり、最後までそこに変化がなかったために解決
できた事案でした。