熟年離婚成功するために知っておきたいこと

ご主人が定年間近になり、子供もそれぞれ独立して家庭を持ったので、そろそろ・・・、

などといわゆる熟年離婚をお考えの方が最近増えております。

昨今「熟年離婚」という言葉が世間に浸透しているように統計上も以前よりも件数が増え続けています。

熟年離婚については、結婚生活の長さから預貯金、不動産、生命保険、各種積立など財産分与の対象となる財産も多数あるかと思います。

特に、女性が家計を握っている家庭が多いため、財産分与も意図する方向で解決することが多くなっています。

そんな熟年離婚を上手く行うために必要なことを以下で説明していきたいと思います。

財産分与について

  • 財産分与の基礎知識

夫婦が結婚後に築いた財産は夫婦の共同財産として、財産分与の対象になります。

財産分与には下記の通り2つの分割方法があります。

・現物分割…財産を夫婦のうちどちらが取得するのかを決める方法

・換価分割…財産を売ってお金にした上で、そのお金を夫婦で分ける方法

分割する割合は基本的には2分の1です。

財産分与の対象は婚姻期間中に共同して築いた財産のすべてとなります。

ただし、マイナスの財産(住宅ローン等)も考慮するので、トータルするとマイナスになるという場合には財産分与が行われないということになりますので注意が必要です。

具体的には、

現金

不動産(土地・建物)

有価証券(株券・社債など)

家財道具(家具・家電など)

退職金

など

財産分与は、離婚後2年以内に請求する必要があります。

とはいってもほとんどの場合、離婚時に併せて行います。

  • 財産分与においてやっておくべきこと

日本の家庭の多くは、奥様が家計を管理しています。

もし、あなたの家庭もそうであるならば、ご主人名義の財産について漏れなく把握しているでしょうから、その財産関係の資料一式、一切合切すべてのページをコピーしておくことをお勧めします。

あとは別居日を決めてしまえば、その日にあった財産を2分の1ずつ分与することになります。

ご主人の財産関係を把握していない場合、別居日までに離婚を検討していることを気づかれないようにして、ご主人の財産関係を把握するように調査してください。

何も手掛かりがないと、給与口座と課税証明書に出てくる保険料などに基づいて開示を請求できますが、それ以上は何か手掛かりがないと財産分与の対象とすることは難しくなります。

離婚することがばれてしまうと、家計を渡さないご主人はほぼ財産を隠します。

そのあたりを念頭に入れて慎重に行ってください。

ご主人がよく使うパソコンやiPadなどに証券会社や銀行の履歴が残っていることもあります。

注意深く、かつ、漏れなく、相手の財産を把握できるようにしてください。

年金分割

熟年離婚を増加させた大きな理由の1つが年金分割です。

年金分割制度は、婚姻期間中夫婦各自が支払った年金保険料を合算して、それぞれ2分の1ずつ自己の納めた年金掛け金とする制度です。

制度上2分の1ではない定めをすることも可能な場合もありますが、何百件と離婚に携わってきて、2分の1以外の割合を見たことがありません。

抵抗してもほぼ無駄と言えるので2分の1だとお考え下さい。

年金分割の種類

合意分割制度…夫婦間の合意または裁判所の決定による厚生年金・共済年金の分割制度

3号分割制度…第3号被保険者が請求した場合に分割対象の年金を2分の1に分割する制度

→この制度により必要な手続きが変わります。協議離婚の場合公正証書作成の有無にも影響してきますので、是非一度自分の年金分割手続が何か確認してください。

分割の期限

合意分割制度・3号分割制度ともに、離婚後2年以内に請求する必要がありますので、後回しにせずできるだけ早く手続きをするようにしましょう。

この期間を過ぎてしまうと一切認められませんので注意してください。

  • 年金分割のための情報通知書

離婚調停・裁判にて離婚する場合この書類が必要となります。

注意したいのは、取得に時間がかかるということです。以前は当日いきなり日本年金機構に行き待ち続ければ当日発行受付の手続きをしてもらい、そこから数週間で届いたのですが、現在は予約して日本年金機構に行く扱いとなっており、日本年金機構に訪れるまで数週間かかります。

苦労して取得した年金分割のための情報通知書ですが、発行から1年を経過してしまうと調停・裁判では利用できなくなってしまいます。

ですので、いつ取得するかを取得するまでの期間を念頭に入れて決めなくてはなりません。

また、自衛隊など年金の管理を独自に行っている機関などは、年金分割のための情報通知書が発行されるまでかなり長い時間待たされることもありますので、ご注意ください。

慰謝料

もし、配偶者の方が浮気やDVをしていたのであれば、慰謝料を請求することができます。ただし、慰謝料を請求するには証拠が必要です。

浮気であれば、探偵資料、LINE、e-mailなどが主なものであり、昨今はLINEにて判明することが多くなっています。

DVの場合、医師の診断書・カルテ、DV直後の写真、日記などになります。日記は日常生活が記載されている中に所々DVの事実が書いてあるとなおよいです。

また、スマートフォンの普及により、音声データや録画データなども証拠として有効になっています。特に録音データは言い訳ができないため、非常に有用です。

具体的事案に即して離婚へと導くノウハウが当事務所にはございます。

進め方

以上のお金にまつわる準備をしたら、いよいよ離婚交渉の始まりとなります。

順を追って説明します。

  • 離婚協議

ほとんどの方は協議離婚から開始されるかと思います。

メリットは、裁判所を介さないため、本人同士で定めた条件で合意できるところ、期日がありませんのでいつでも協議が可能なところです。

逆にデメリットは、相手の交渉能力が上だと相場よりも低い条件での離婚となってしまう恐れがあります。

また、時間に制限がないため、結局話がまとまらず長期間経過後に結局調停となってしまうこともあります。

  • 離婚調停

公平な第三者である調停員が間に入り、離婚に向けて調整をしてくれます。

調停が不成立となれば裁判となり、裁判となればいつの日か離婚が認められるため、最長でもここまでという離婚ができる日を決められます。

裁判所を介するので、通常のケースであれば相場に則った解決となります。

ただ、あくまでも話し合いの場であり、相手が相場を拒めば離婚するために妥協する必要があるなど起こりえます。

また、調停員が、事案の適切な解決よりも、自己満足に浸る場合も多く、特に弁護士なしで行う調停は調停員がマウントを取りたがります。

  • 離婚裁判

裁判なので、裁判官が離婚、財産分与、慰謝料など判断してくれます。

どうにも話し合いにならない相手方の場合、裁判したほうが早い場合があります。

裁判と言ってもほとんどは和解で終わるため、話し合いも可能なのです。

特に、最近増えている相手方もクレーマー気質があり話し合いにならない、弁護士もそれを諫めないという場合、裁判に移行することで相手方本人が期日に来なくなるため、代理人のみの主張となり、代理人の主張もおかしいと裁判官から糺されるため、まともな話し合いになります。

デメリットは、時間がかかることと書面主義のため、弁護士なしでは解決不可能ということにあります。

まとめ

以上熟年離婚について説明してきました。

熟年離婚は分与する財産が多いため、慎重に後悔しないように財産分与をする必要があります。

弁護士に依頼することで「こうしておけばよかった」「そんな風に出来たなんて知らなかった」と後悔することを防ぐのが賢明かと思います。

 

そのような場合、是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。

弁護士ならではの法律的知識と豊富な経験に基づき、迅速かつ最適な離婚に向けて尽力させて頂きます。

 

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執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

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