介護離婚は認められるのか

「介護をきっかけにして、自分が大事にされていないことがわかりました。」

と言い、離婚に踏み切る方が多くいらっしゃいます。

特に、ご主人が自分の両親の介護を勝手に請負い妻に押しつけた挙げ句、妻が自分の両親の介護をすることをよく思っていない、そんなケースだと早晩夫婦関係は行き詰まってしまいます。

もう一つ多いのは、義姉妹に介護をしてもらいながら、感謝もせずに余計なことを言う夫の姉妹の存在もことをややこしくしてしまいます。

そんな介護離婚ですが認められるのでしょうか。

以下述べていきます。

 

1、 介護離婚のきっかけ

先ほど述べたようなケースは論外といえますが、そこまでに至らないケースでも介護離婚を引き起こす原因はいくつもあります。

(1)介護を当たり前と考えている

法律上、妻には義理の両親の介護は妻が行うという義務はありません。法律上の義務云々だけで割り切れる話ではないかもしれませんが、介護サービス等を用いれば相当な出費を強いられる訳ですから、奥様が介護をしていることにはそれだけの価値があります。

決して当たり前ではないということをご主人の方が認識していないと、いつの日か奥様は我慢の限界に達することでしょう。

(2)夫をはじめとする実子の協力がない

物事には優先順位があり、実子とお嫁さんであれば実子から介護を負担すべきことは当然といえるのではないでしょうか。今時珍しいことかもしれませんが、本家を承継することが決まっているなどであれば別ですが、そうでもないのに「長男だから」という理由で実子を超えて介護をする義務などありません。

それにもかかわらず、介護を担当させられた挙げ句、何の協力もしないというのは、お嫁さんが気を病むのも無理がないことと言えるでしょう。

 

(3)自分の時間がない、疲弊してしまった

ただでさえ家族の家事と育児に追われていたのに、そこに介護が加われば1日ほとんど自分の時間が取れないことになります。

そんな毎日が長期間続き、今後も同じことが永遠に続くと思ってしまったときに、心身ともに疲弊しきってしまい気持ちが切れてしまう方がいらっしゃいます。

 

(4)夫と仲が悪い

そのような状態で妻にとって他人である自分の両親の介護を強いるというのは理解に苦しみことと思います。

どんなに仲の良い夫婦でも、介護は大変ことであり、相思相愛の仲にひびが入る可能性すらあります。

それにもかかわらず、不仲な夫婦状態で自らの親の介護をしてもらうなどということは無理があるのではないでしょうか。

 

2、親の介護に関する義務と責任について

民法877条には、直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があると規定されており、義理の子どもは直接的な扶養義務を負いません。

ただ、夫婦の扶助義務の一環として、間接的な義務を負うこともあるのかもしれません。
いずれにせよ、お嫁さんは、一義的に介護する義務を負わないということを出発点として認識しておくべきです。

 

3、介護離婚を回避するには

いくつかの方法がありますが代表的なものを挙げれば

① 夫 や姉妹に介護の協力をしてもらう

実際に介護をすれば、その大変さが理解できより感謝してもらえるかもしれません。
週にたった1日だけでも、介護から解放される日があれば頑張れるのではないでしょうか。

② 介護サービスを利用する

費用が発生しますが、介護をするより外へ仕事に出た方が気が紛れることもあるでしょうし、問題なく支出できる財産が介護される人にあったり、家計も問題がなく支出できるのであれば有効な方法といえます。

③ 施設に入居してもらう

特養など年金の範囲内で入所できる施設もあります。
お嫁さんだからといって一人で耐えるのは時代遅れといえるのではないでしょうか。
施設に入り、かえって大事に思うことが出来たという方いらっしゃいます。
無理をして家族を壊してしまうなら、恥じることもなく、有益な方法といえます。

夫婦関係が後戻りできなくなる前に、真剣に話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

4、介護離婚の可否

次に、介護離婚の可否について述べていきます。

結論から述べると、介護の苦労そのものを理由としての離婚はなかなか難しいといえます。

夫の浮気やDV等があれば話は早いのですが、そうではない場合は別居をした上で、固い決意を示して離婚を求めていくのが一般的です。

もちろん、夫が離婚に応じてくれればすぐにでも離婚が成立します。

そうではない場合、ある程度の期間が必要となることを覚悟すべきです。

ただ、夫にとって母親を大事にしてくれないということは、大きな失望を生む理由になり得ますので、あっという間に離婚が成立することも多々あります。

以上のように介護離婚も通常の離婚と同じような経路を辿っていくこととなります。
そこには求められるのは離婚理由ではなく固い決意と覚悟といえます。

 

5,介護離婚を決めたら

様々な葛藤を抱え、一生懸命介護を続けてきて、限界を迎えてしまいそうになったら、
「今すぐここを飛びだそう」
そういった発想をするのも無理はないのですが、一旦落ち着いて以下の準備を検討して見てください。

① 今後の人生設計をする

多くの方は実家に戻られるのですが、そうではない場合も含めて、
どこで、どのような仕事をして、どうやって暮らしていくか
を決めてから実行に移さないと結局は元の生活に戻ることもあります。

② 当面を凌ぐ資金を準備する

財産分与等でまとまったお金を期待できたとしても、実際に手にするまでそれなりの期間がかかりますので、手持ち資金を確かめ、①で考えた生活をどの程度維持できるかをあらかじめ把握しておくことは非常に重要です。

③ 夫の財産を把握する

一度別居してしまえば、夫の財産の有無は夫を通して確認することになります。同居している間に、可能な限りの財産を把握しておくことが、後で来るお金の話を失敗しないために非常に重要です。

④ 弁護士に相談する

以上をしっかりと実施出来たとしても、事案ごとの特殊性や注意点を踏まえて過不足なく行うことは簡単ではありません。

後悔しないために、専門家である弁護士に助言をもらい、抜けやぬかりのない計画に仕上げましょう。

 

6,さいごに

介護離婚も珍しくなくなってきた昨今、今後の人生をどのように生きていくのか真剣に検討する時期に来たのかもしれません。
なぜなら、そのような悩みがないのに、この記事を最後までお読み頂いているのですから。
一人で悩んでいるのであれば、ご友人やご家族に相談したり、弁護士に相談されてはいかがでしょうか。
きっと得るものがあるはずです。
お気軽に当事務所の初回無料相談をご利用ください。

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