親権の獲得するために

お子様がいらっしゃる家庭が離婚をする際に最初に考えるのは、殆どの方は親権ではないでしょうか。
無償の愛を注いできたわが子と離れて暮らすことになるのは、身が引き千切られるような思いをされていることかと思います。
そんな親権を獲得するためには、従前の生活状況は当然重視され、更に、裁判所での手続ではその場での適切な主張や立証が求められます。

過去私が担当した事件でも、双方代理人がついているにもかかわらず、相手が適切な主張をしないため親権が獲得でき事もあります。
相手の代理人が私で、私の依頼者の代理人が相手の代理人であれば、まったく逆の結果になったのではないかと考えることもあります。

そういった意味では、失敗できない親権の争いについて、弁護士次第で結果が変わることがあるといえます。
ここでは、親権の獲得を考えた時に注意すべきことを述べていきます。

親権を判断する場合に考慮される要素

親権を双方譲らない場合、当然協議や調停で、「わかりました。親権はお譲りします。」という方はほとんどいないため、裁判までいく可能性が高くなります。
ただ、裁判所は、結果の見えている事案については、かなり強い説得をするという印象を持っています。
「このままいっても、親権は相手になります。お子様の負担を考慮されるべきでは?」
などと言って再考を求めるケースが多いです。

そのような事案でも親権を譲らない場合、裁判所で親権を判断する際に考慮される要素を説明します。
下記の要素はあくまでも一般的に適用されるものであり、当然事案によって何が重視されるかは変わってきます。

① 監護の継続性の原則

従前主たる監護権者であった親の下で暮らすことが子の福祉に資するという考えが裁判所にはあり、多くの事件を担当してきた弁護士として感じるのは、この要素はかなり重視されるということです。

また、別居から相当期間が経過した場合、別居後に生活している環境での生活を継続させようとすることも、この原則にあてはまります。

② 母性優先の原則

一昔前は母「親」優先の原則でした。
昨今の社会の変容に合わせて「母性」になりました。
これは、一昔前の母親が担っていた役割をする人間と一緒に生活することが子の福祉に資するという考えとなります。
ですから、お母さんの役割をお父さんが完璧にこなすのであれば大きなデメリットにはなりません。
ただ、お父さんが激務で早朝から深夜までも働くという場合は、祖父母や親せきの方の協力で穴埋めすること求められることがあります。

③ 子の意思尊重の原則

子どもがどちらの親と暮らしたいと考えているのかも非常に重視されます。
特に14歳程度となれば、ほぼその意志で決まると言っても過言ではありません。
逆に2,3歳の子がどちらがいいと言っても、さほど重視されません。
やはり今起きていることをしっかりと理解し、自らの真意に基づいて判断すると言える必要があります。

④ きょうだい不分離の原則

裁判所はきょうだいはそろって暮らすことが子の福祉に資すると考えています。
難しいのは、上の子はすでに自分の意思がはっきりしていて父親を希望、下の子はまだ幼く主たる監護権者である母と暮らすべきという事案です。
私は、弁護士なので依頼者に有利なように主張をすればよいですが、裁判官は非常に悩むのではないでしょうか。
あくまでも私の印象ですが、①②③の原則が優先されることが多いと思います。

親権を決める手続き

①離婚協議

離婚に伴う親権者の指定は、当事者同士の協議によって定めることが可能です。
要は本人たちが納得しているのであればそれでよいということになります。

②離婚調停

協議での解決が難しい場合、家裁裁判所において離婚調停を行う必要があります。
親権についての争いが激しい場合、家裁調査官が関与し、子どもの意向調査や監護状況の調査が想定されます。

調査官の調査が実施された場合、親権についての意見等が記載された調査報告書が作成されるのが通常です。
この調査報告書は親権の裁判になったとき、実務上、大きな影響を持つと考えられます。
この内容いかんによっては、親権を諦めて、面会交流について話し合っていく方が賢明という場合もあります。

③離婚訴訟

親権問題については、協議や調停で双方とも譲らず、最終的に裁判所に判断してもらうことを希望して、訴訟で争うケースは決して珍しくありません。
裁判所の判断ですから、上で説明した、
① 継続性の原則、②母性優先の原則、③本人意思の尊重の原則、④きょうだい不可分の原則
を中心に裁判官が判断していきます。
調停段階で調査官調査をしていれば、大きな影響を与えるので、訴訟では調査書に対する対処が必要となります。

以上のような事項を基本として親権を判断していくことになります。
家庭裁判所での手続きだから柔軟性があり、弁護士が入っても結果は変わらないと考える人もいらっしゃいますが、残念ながら違います。
親権の決定は、訴訟手続きにも負けないほど、証拠に基づいた主張立証で判断されます。
裁判所としても、なんとなく決めてはいけないと真剣に考えて決定してくれます。
ですので、親権に関しては、弁護士に依頼せずに裁判所の手続に臨むことは避けるべきです。

また、弁護士であれば誰でも出来る案件ではなく、専門的知識を有する弁護士に依頼することが不可欠です。
以前、相談にいらっしゃった方が、私の前に何人かの弁護士に相談したが、ここまで見通しまで含めて内容に差があるとは思わなかったといってすぐに依頼され、予定通り親権を獲得できたこともありました。

専門的知識やノウハウがある弁護士を探すことが結果につながります。
是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
専門的なアドバイスさせて頂きます。

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親権と監護権について

親権の獲得するために

親権停止とは

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

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