乳幼児の面会交流について

離婚時に乳幼児がいた場合、面会交流を実施するには色々と考えることが増えてきます。

そういった乳幼児の面会交流で気を付けたいポイントをここでは述べていきます。

1  乳幼児期とは

乳幼児期前期は、0歳から3歳までの時期を指します。

乳児期の子どもは、たくさんの愛情を得ることによって人に対する信頼感を高めていきます。

また、1歳半くらいから、自律性が発達する時期になります。

4歳くらいからは、保護者や養育者から離れてある程度一人でいられるようになり、徐々に相手の気持ちを理解しながら他人と関わることができるようになっていきます。

2 乳幼児期の子どもへ離婚が及ぼす影響

不安や恐れを示したり、食事、排せつ、睡眠の習慣に影響を及ぼすことがあります。

成長するにつれて、主たる養育者から離れたときに分離不安を示す、かんしゃくを起こしたり、無気力になることがあります。

4歳以上になると、親の離婚が自分の責任だと感じたり、親から捨てられてしまうのではないかという恐怖を感じることがあります。

いずれにしても、何か影響があると感じたら、たくさんの愛情を注いでフォローしていくことが肝要です。

3 乳幼児期の子どもにおける面会交流の必要性

乳幼児期に両親からの愛情を受けることによって、子どもの社会性や知的能力の発達によい影響を与えることになることから、乳幼児期の面会交流は、子どもの健全な発育に必要だといえます。

ですので、原則的には面会交流をするべきといえます。

しかし、離婚の理由が配偶者からの暴力であったり、配偶者による連れ去りの危険がある場合には、面会交流を実施することによって子どもの利益が害される可能性があります。

そのため、このようなケースでは、面会交流に応じるかどうかは慎重に判断しなければなりません。

更に、面会交流を拒否した場合には、相手との間にトラブルを生じる可能性があります。

どうしても面会交流を拒否したい場合は弁護士に相談するのも一つの手です。

乳幼児期の子どもは、精神的にも肉体的にもまだまだ未熟ですので、面会交流を行う場合にはその点に十分に配慮して行う必要があります。

監護親から離れて非監護親と面会を行うことは分離不安を生じるリスクがありますので、監護親が近くに同席するなどの配慮も必要になってくるでしょう。

また、乳幼児期は体調を崩しやすい時期でもありますので、子どもの異変を感じた場合には、面会交流の中止や延期措置をとるなど柔軟に対応することも必要です。

4 乳幼児期の意思

面会交流を実施するか否かの判断にあたっては、通常、子どもの意思も考慮した上で判断されます。

しかし、乳幼児期の子どもの意思については、子どもがまだ自己を確立しているとはいえないため、ほとんど考慮されることはありません。

そのため、乳幼児期の面会交流においては、子どもの意思というよりも何が子どもの利益になるかという視点から判断していく必要があります。

5 0-1歳児の面会交流

0-1歳の子どもと面会交流をしても何もわからないから意味がないと考える方もいます。しかし、家庭裁判所は、子どもの健全な発育にとって非監護親との交流は重要であると考えられています。

したがって、面会交流を制限する理由にはなりません。

しかも、子どもが幼いうちから非監護親と交流を始めることによって、子どもは親として認識しやすくなり、将来の非監護親との良好な関係を継続するためにも早い時期からの面会交流は行うべきであるといえるでしょう。

6 2-3歳児の面会交流

2-3歳児の面会交流については、肉体的にも精神的にも未熟であることから、非監護親と二人だけで面会をすることは難しく、監護親も同席して行うことが殆どです。

離婚の理由や経緯などによっては非監護親と監護親に対立が生じており、同席での面会交流が難しい場合があります。そのような場合には、祖父母などの第三者の協力を得て行うなどの工夫も必要になります。

当事者が遠方に住んでいるような場合には、子どもが落ち着いて面会できる年齢に達するまでは、写真やプレゼントのやり取りといった間接的な面会交流を行うというケースもあります。

7 面会交流の頻度

面会交流の頻度については、当事者が自由に取り決めることができます。一般的な面会交流の頻度としては、月1回程度が目安といわれることが多いです。

裁判所での、調停、審判では、ほとんどのケースで月1回程度と定められます。

もっとも、乳幼児期の子どもは体調を崩しやすいという特徴がありますので、面会交流の頻度を取り決めたとしても、子どもの体調に配慮して柔軟に変更する余地を残しておくようにしましょう。

8 面会交流の場所

乳幼児期の子どもとの面会交流の場所としては、以下の場所が候補に挙げられます。

(1)自宅

監護親や非監護親の自宅での面会交流であれば、落ち着いた環境で面会できるので乳幼児期の子どもでも不安なく実施できるでしょう。

しかし、監護親と非監護親に感情的な対立がある場合には、自宅に相手を立ち入らせることに対して拒否感を抱くこともあるため、避けた方がよいかもしれません。

(2)ショッピングモールなどのキッズスペース

最近では、大型ショッピングモールなどで子どもが遊ぶことができるキッズスペースが設けられている所があります。そのような場所であれば、子どもも楽しみながら面会を行うことができます。

ご自宅の近くに利用できる施設がある場合には、検討してみるとよいでしょう。

(3)児童館や子どもセンター

お住まいの地方自治体が運営している児童館や子どもセンターなども面会交流の場所としては適しています。本やおもちゃなどが準備されており、子どもと遊びながら面会を行うことができますし、周囲の人の目があることから非監護親による連れ去りなどの心配もないでしょう。

(4)家庭裁判所の児童室

当事者間で面会交流の取り決めができない場合には、家庭裁判所の面会交流調停が利用されることがあります。

その際には、非監護親と子どもとの試行的面会交流として、家庭裁判所の児童室が面会交流場所として利用されます。継続的に利用できる場所ではありませんが、離婚調停や面会交流調停などを利用中の方は、検討してみるとよいでしょう。

8 面会交流の日時

乳幼児期の子どもとの面会交流においては、子どもや監護親の生活スタイルを考慮して面会交流の日時を決める必要があります。

乳幼児期の子どもとの面会交流は、監護親が立ち会うことが多くなりますので、監護親の休日などを優先するようにしましょう。そして、乳幼児期の子どもは、長時間の面会をするだけの体力が備わっていませんので、2時間程度の短時間の面会交流となることが殆どです。両親に信頼関係が出来れば、子どもの成長に合わせて徐々に時間を延ばしていくことが多いです。

とりあえず、短時間でも、手間がかかっても、面会交流を実施していくことが重要です。

 

以上、乳幼児の面会交流について述べてきました。

何も知らないと、過剰要求をされ鵜呑みする危険があります。

ご自身のみの負担ではなく、早晩お子様に大きな負担となってしまいます。

しっかりと理解した上で、面会交流をどう実施するかを決めて、お子様にとって、過度の負担とならず、一緒に暮らしていない親御さんとも永続的に、良好な関係が築けるように有意義な面会交流にしましょう。

乳幼児の面会交流でお悩みの方は、まずは専門家である弁護士に相談しましょう。

是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。

なにをすべきか、なにをしてはいけないかについて、具体的にアドバイスさせていただきます。

 

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

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