モラハラ妻について

モラハラと言われると真っ先に男性を想像すると思います。

しかし、ここ最近妻側にモラハラがあることも増えてきており、私どもの事務所でも年に何件も受任しています。

それこそ、モラハラ妻を持つご主人の疲弊の仕方は想像を絶するものがあります。

仕事はもちろん日常生活にも支障が生じ、生きていることに疲れたとおっしゃたりします。

ここでは、そんなモラハラ妻について説明していきます。

 

モラハラ妻といえるのはどのようなケース?

モラハラは、ご存知でしょうがモラル・ハラスメントの略称であり、精神的暴力のことをいいます。

モラハラの加害者は、侮辱や軽蔑、無視などを繰り返すことにより、相手を支配していきます。

 

下記のことがあてはまるならモラハラ妻かもしれません。

 

・よく無視する

・よく不機嫌な態度をとる

・よく大袈裟にため息をついたり、舌打ちをしたりする

・夫のささいなミスを執拗に責め立てる

・すぐ「離婚」と言う

・ヒステリーを起こす

・他人、特に夫の意見を聞かない

・自分の意見や基準を夫に押しつける

・夫の物を壊す、勝手に捨てる

・夫を侮辱する

・夫のスマホやカバンの中身を勝手にチェックする

・夫を家から閉め出す

・夫の食事だけ作らない

・子どもに夫の悪口を吹き込む

・家の外では「いい妻」「いい母親」に見えるように振る舞っている

・自分のタイミングで執拗に性行為を求める

・自分の気が済むまで同じ話を繰り返す、罵倒するなどして夫を寝かさない

・自分でやったことなのに、すべて夫がやったことにする

 

逆に、以下のことがあてはまるならモラハラ妻に対し疲弊している可能性があります。

 

・家に帰りたくない

・妻の機嫌をうかがう

・妻が怒り出すとなんとかやり過ごそうとする

・妻が間違っていても、指摘するのは無駄と諦めている

・家庭に居場所がないと感じる

・不眠など心身に不調が生じている

 

こういった状況であれば、まずはすぐに別居しましょう。

我慢するとうつ病になり、長期間働けなくなる可能性があります。

 

どうしてこのようなモラハラ妻が生まれるのか

自分が特別な存在と考えている

妻が夫よりも自分が特別な存在だとの考えを持っていると、それによってモラハラが引き起こされることになります。

 

なお、妻がこのような考え方を持つようになった経緯として、妻の育った環境が影響している場合もあります。

 

自己肯定感が低い

モラハラをする人は、自分は特別で優れた存在であると思っている一方、自己肯定感が低く、自信がないという傾向にもあります。

そのため、モラハラをして他人を支配し、おとしめることで、自分の優位性を感じたり、自信のなさを埋め合わせようとしたりすることがあります。

 

モラハラ妻への対処法

そんなモラハラ妻とはどうやって対処すればよいでしょうか。

先にも述べましたが心身に支障が生じているなら、すぐに別居してください。

そうしないとご自身が完全に壊れてしまいます。

殆どのケースで、別居により、以前の元気なご自身を取り戻されています。

そこまでの場合でない場合は、

 

妻と話し合う

まずは妻と話し合ってみるようにしましょう。

しかし、モラハラ妻の傾向として火に油を注ぐだけの可能性もあります。

ある程度言ってダメなら諦めて別の方法を考えましょう。

 

モラハラ妻にカウンセリングを受けてもらう

受け容れてくれたら、夫婦関係改善の大きなきっかけになる可能性があります。

そのときは、「自分はおかしいかもしれない」という自覚があるといえますので。

しかし、烈火の如く怒る場合も考えられます。

そういった場合はすぐに撤回しましょう。

 

別居

殆どのケースでこれしかないと思われます。

モラハラ妻のケースでは、ご主人は非常に優しくて包容力のある人が多く、かなり頑張ってしまいます。

そういった人が自覚した時には、相手は手の付けられないモンスターとなっていますし、ご主人は適応障害には殆どのケースでり患しており、人によってはうつ病となっています。

 

ストレスの原因から離れるのは、精神疾患を治療するための必要不可欠な手段です。

モラハラ妻と離れないことには精神は回復しません。

また、一旦離れると皆さん

「なんであんなに我慢したんだ・・・」

と思われます。

そういった発想すらできないほどに追い込まれてしまいます。

早く日常を取り戻すためにも、1日でも早く別居することをお勧めします。

 

婚姻費用を請求されたら?

別居後は、妻から婚姻費用の支払いを求められる可能性が高いです。

婚姻費用とは、夫婦や子どもの生活費のことで、夫婦で分担する義務があります。

そのため、妻が専業主婦で収入がない場合や、共働きでも妻の方が収入が少ない場合は、妻に対して婚姻費用を支払わなければなりません。

 

婚姻費用の金額は、家庭裁判所で用いられている婚姻費用算定表という早見表を参照して決めるのが一般的です。

私どもの事務所では、算定表の基となる算定式により、金額を算出します。

 

学費、住宅ローンの取り扱いなど、婚姻費用は知らないと公平な金額とならないこともあります。実際には、一度弁護士に相談することをお勧めします。

 

弁護士への依頼は必須

モラハラ妻と別居できても、弁護士を雇わないとどうなるでしょうか?

モラハラ妻との離婚に向けたやり取りを自分でやらないとならなくなります。

要するに、別居後もモラハラ妻とのやり取りが続くのです。

これでは別居した意味がありません。

 

モラハラ妻との離婚については、弁護士に依頼し、モラハラ妻とは一切接触しない形で離婚を進めていきましょう。

健康を害してしまっては、離婚後に新しい生活をすることもままならなくなります。

 

モラハラは離婚事由になるか

モラハラは、離婚原因のうちの、「婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法770条1項5号)に該当する可能性があるとはいえます。

しかし、実際の離婚裁判では、モラハラを立証することは難しく、立証できてもそれだけで即離婚判決が出るかという難しいといえます。

 

ですので、別居は、離婚事由を補完してくれる役割も担ってくれます。

モラハラの惨状を伝え、離婚できるように裁判所へ訴えかけ、更に、別居を継続することでいつの日か離婚できるという状況を作ることが肝要です。

 

モラハラの立証

モラハラの証拠としては、暴言や侮辱などの録音・録画や、相手からのメールやLINEのメッセージなどがあります。

 

しかし、モラハラは、夫婦の関係性や前後の状況などの全体像を見なければ夫婦喧嘩などとの区別がつかないことも多いです。

また、無視や不機嫌な態度といった方法でモラハラが行われている場合は、証拠に残すことも困難です。

このようなことから、モラハラの立証は難しいといえます。

 

以上、モラハラ妻について述べてきました。

まとめると、①別居、②信頼できる弁護士へ依頼し交渉を任せる、ということになり、それ以上の方法はないかと。

弁護士が交渉している間に元気になってもらうのが何より大切です。

 

自分でもよくわからないのですが逃げたい気持ちが抑えられず、着の身着のままでここに来ました・・・。

と相談来られる方がいらっしゃいます。

そういった方でも、別居して半年もたてば、笑顔でやり取りができるまでに回復し、仕事もバリバリこなすようになります。

とにかく、別居してください。

そこから始めないことには、上手くいきません。

 

事案ごとにすべきことや検討する離婚条件も変わってきます。

何より、ご自身の状況がどういうものなのか自覚しないと先に進めず、自分を責め、相手に責められる地獄のような日々が続きます。

まずは当事務所の初回無料相談をご利用ください。

今後の人生に希望が見いだせるよう誠心誠意アドバイスをさせていただきます。

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

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