慰謝料請求が権利の濫用になるのか?

当たり前ですが不倫をされた場合、被害者は慰謝料を請求する権利が認められます。
しかし、権利が認められるからといって、何やっていいわけでなく、権利の濫用となり、慰謝料の請求が封じられるケースも存在します。
以下で、詳しく説明していきます。

1 権利の濫用とは

権利の濫用とは、権利の行使が本来の目的から外れており、社会的に許されない態様で権利を行使することをいいます。
民法1条3項に「権利の濫用は、これを許さない。」と規定されています。

2 慰謝料請求が権利の濫用になるケース

不倫の慰謝料請求でも一定の場合には権利の濫用として認められない可能性があります。
以下で説明します。

① 暴力を用いた場合

いくら不倫をされたからといって、力づくで慰謝料を支払わせるようなことはできません。
日本は法治国家なので自力救済は出来ないのです。
慰謝料の支払いを強要するなど請求態様が極めて悪質なので、権利濫用とみなされることになります。

② 請求側に不倫をされるような理由がある場合

例えば、夫には借金があり、それまでにもたびたび女性問題や酒の飲み過ぎなどのトラブルを起こしていたため、妻が耐えられなくなって不貞行為に及んだというような場合では慰謝料請求が権利の濫用とされることがあり得ます。
妻が不倫した原因の多くが夫自身にある場合には、慰謝料請求が認められない可能性があります。

3 権利の濫用になるケースは少ない

権利の行使はあくまで自由であることが原則です。
権利の濫用と評価されるケースは極めて例外であると考えたほうがよいでしょう。
そもそも権利の濫用は、一般条項といい、裁判所もなかなか認めない傾向にあります。
余程の極限的事例で、そのまま法を適用することが憚られるような時に、他の根拠がないため使用されると考えておく方が無難です。

4 慰謝料の減額事由になる

暴力的や脅迫的な慰謝料請求を行った場合、あるいは自分にも不倫を引き起こした責任がある場合などには、権利濫用以外にも慰謝料の減額事由になるといえます。

慰謝料の金額には一定の相場がありますが、請求者側に落ち度があると、慰謝料が減額されてしまう場合があります。

・相手に暴力を振るって慰謝料を払わせようとした
・相手を脅して慰謝料を払わせようとした
・ネットで誹謗中傷するなど、嫌がらせをして慰謝料請求しようとした
・不倫が始まったとき、すでに夫婦仲が悪化していた
・借金トラブルやDV、モラハラなど、請求者側に夫婦関係を悪化させた原因があった

などは減額原因になり得ます。

以上、慰謝料請求が権利の濫用になるかについて説明してきました。
上でも述べた通り、かなりの例外的な話なので、なかなかご自身で判断するのは難しいといえます。
是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
不貞問題を多数扱ってきた経験とノウハウから適切なアドバイスをさせていただきます。

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

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