面会交流の間接強制について

離婚が成立した後に子供の親権を有しない方の親が子供と会うことを面会交流と言います。

ほとんどのケースにおいては離婚時の約束に従い面会交流が実施され、中には夫婦という関係から解放され父と母として良好な関係を築いて協力して子育てを行い、子供へも好影響を与える方もいらっしゃいます。

その一方で、離婚時の約束を端から無視して、何かと理由を付け子供と会わせない、それでも養育費を要求し続けるという方がたまにいらっしゃいます。

そのような場合、どのような対処法があるのでしょうか?
それは間接強制という制度というのが答えとなります。

間接強制とは、面会交流が実施しない場合に一回あたり一定額を監護親が非監護親に支払うということになります。

この間接強制には2つの問題があります。

 

まず1つ目は、どのようなケースで間接強制が認められるか、ということがあります。
通常、面会交流は約束通り実施されるため、裁判所で作成される離婚調停条項などには一般的な抽象的な条項が作成されます。
そのような条項では間接強制は出来ません。

具体的には以下の要素について具体的な条項を作成する必要があります。

①面会交流を実施する日時 例:毎月第3日曜の午前10時から午後2時
②頻度 例;毎月1回
③面会交流の長さ(時間) 例:午前10時から午後2時
④子の引渡しの方法 例:○○駅にて引渡、面会交流後××ショッピングセンターで引渡

通常、離婚における協議、調停、裁判においては相手が面会交流を実施しないことを基礎づける事情が明白に存しない限り、間接強制の出来ない一般的な条項が自動的に作成されることになるかと思います。
まずは、間接強制ありきではなく、離婚後の様子を見て面会交流が実施されない場合に再度面会交流調停を申し立てて間接強制が認められる条項の作成をすることになるのが通常です。
その辺りについては面会交流の問題に詳しい弁護士に相談されることをおすすめいたします。

 

次に「子どもが嫌がる」からという言い分で間接強制を免れうるか、という問題があります。

基本的には理由にはならない可能性が高いです。

これだけで面会交流をしなくてよいなら世の親権者は皆面会交流を実施しなくなってしまいます。裁判所は世間の常識に従って判断していく機関であり、面会交流はお子様の健全な生育に有用であると考えられている以上、面会交流を拒むには相応の理由が必要となります。もちろん、子供の年齢が上がるにつれて本人の意志が尊重され強制が出来なくなるため、認められる余地は出来てきます。

この点、平成25年3月28日最高裁決定が参考となります。

上記決定で、最高裁は、「子どもが嫌がる」という理由では、調停で明確に定められた面会交流を拒むことはできないということになります。

ただ、面会交流と間接強制の問題は、高度に専門的な内容が多分に含まれています。面会交流が実現できずに悩まれている方は、面会交流に詳しい弁護士へ相談すべきといえます。

当事務所は間接強制を前提とした条項を再締結することにより、数年実施されなかった面会交流を毎月欠かさず実施できるようになった、等の実績がございます。

まずは当事務所の初回無料法律相談をお気軽にご利用下さい。

 

最後になりますが、面会交流の実施を妨げる一番の原因は何だと思われますか?

実は、本人同士で離婚を決めた協議離婚などではそれ程問題は生じません。

実は代理人の姿勢に起因することがよくあるのです。

例えば、私が担当した事件においては依頼者の方に面会交流は実施しなくてはならないものだと何度も念押しし、その有用性であったり、実施しないリスクなどをしっかりと説明し、納得してもらっています。ですので、面会交流トラブルは皆無と言えます。

しかし、代理人の中には面会交流を実施しないことを否定せず、子供ではなく依頼者本人が会わせたくないなどの理由で仕方ないなどとする方がいるのです。

そのような場合に限って、代理人間の協議・説得で解決出来るものも解決出来ず、やむを得ず間接強制に向けた手続に入っていくこととなってしまいます。

離婚しても子供の親であることに変わりはない、間接強制は双方がそのような認識をしっかりと持てば起こらない問題とも言えます。

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執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

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