60代の離婚で気を付けたいこと
60代で離婚を決意する人が増えています。
多くの人が我慢に我慢を重ねてきて耐えられなくなった、退職金が支給される今こそ、といったことを決断の理由にしています。
そんな60代の離婚について以下説明していきます。
1 60代の女性が離婚を決める理由
60代の女性が離婚を決める主な理由としては下記のものがあります。
① 夫の定年退職
定年を迎えると、退職金が支給され財産分与を即金で多額になることと夫と一日中顔を合わせることがあります。
退職前の場合、支給前の退職金が財産の計算に入りますがすぐに支払いを受けるかどうかはその他財産との兼ね合いになり、場合によってはかなり先の支払いや分割払いとなることも多々あります。
それに対して、実際の支給があれば即時に支払ってもらえるため、退職金の支払い時期を計算して離婚を決意する人がいらっしゃいます。
更に、退職すると、何もせずに夫が家にいることとなり、3食の用意をするは、家事に口出しをされるは、急に行動を束縛されるなどで息が詰まり、耐えられないとして離婚を決意する方がいらっしゃいます。
② 年金分割が受けられるから
65歳からは厚生年金・共済年金が受給できます。
50歳を超えると年金事務所に行けば年金シミュレーションをしてもらえるため、離婚時の年金額も想定できます。
年金分割が可能となった時期に、生活の算段をした上で離婚を決意されることがあります。
③ 後がないから
年齢的に大病を患ってしまったり、介護が必要になってしまうとなかなか決断できなくなります。
お互いに体が元気なうちに離婚して、新しい人生のスタートをしたいということも理由になります。
2 60代の離婚のデメリット
60代で離婚するか悩んでいらっしゃる方は主に以下のようなことを理由にされます。
① お金の不安
60代で離婚を望む女性にとって、最も心配なのは、離婚後の生活に苦労するかどうかです。
ほぼほぼの方がおっしゃいます。
例えば、専業主婦やパートで働いていた方が、離婚後すぐに自分の生活を支えられるだけの収入を得るというのはなかなか難しいです。
年金分割を受けたとしてもそれだけで生活が出来るという方は稀です。
② 介護の不安
離婚をすれば自身の介護も自分で何とかしなくてはなりません。
今は元気でも、いつ怪我や病気をしてしまうか分かりません。介護が必要になった時の見通しが立っていないと、不安に感じてしまいます。
③ 一人暮らしの不安
一人で全ての家事を担うことになりますし、力仕事も自分でしなければなりません。
孤独死という可能性も生じます。
3 財産分与が成否を分ける
60代女性の離婚で、その後の生活を大きく左右するのは財産分与です。
通常、婚姻期間に比例して夫婦の共有財産も増加していき、定年に住宅ローンの返済終了を合わせる人も多くいます。
そうなると、60代の離婚では、財産分与である程度まとまった金額を手にすることが出来ることが多いです。
夫が公務員や有名企業に勤務していた場合などでは、数千万円の財産分与を手にして、マンションを購入するという方もいます。
住むところの不安がなくなると、生活の不安も一気になくなります。
それだけに、60代の離婚では財産分与は最重要課題であり、絶対に失敗できません。
まずは、夫婦の財産をしっかりと把握しましょう。
気の向くままに家を飛び出し、ご主人の財産を把握しておらず、財産がどこまであるかはわからないでは、暗雲立ち込めてしまいます。
財産を把握したら、その中に財産分与の対象外である特有財産がないか確認しましょう。
親の遺産や婚前の財産などが該当します。
そして、出来れば離婚に注力している専門家である弁護士、いわゆる離婚弁護士に相談して、自己の財産分与の認識に漏れや不備がないかチェックしてもらいましょう。
そこまでやれば、
「どうしてこんなことに・・・」
という可能性をかなり排除できるはずです。
4 60代の離婚を成功するためのポイントは下記のとおりです。
① 離婚後の生活シミュレーションをしっかりとする
まずは、可能な限り詳細に離婚後の生活をシミュレーションしましょう。
安易な見積もりでは「こんなはずじゃなかった」となりかねません。
住居、仕事、年金、万が一の時の蓄えや保険など検討すべき事項は多岐にわたります。
弁護士としても、生活に不安があるという場合、まずは住居を確認し、当面の収入を把握してから、財産分与の金額を算定します。
ご自身だけでは如何とも・・・という場合は離婚弁護士に相談すると検討すべきことを一緒に考え、アドバイスをもらうことができます。
② 年金分割をする
当たり前の話ですが、よく分かってない方がいらっしゃいます。
よくあるのは、ご主人の年金を半分もらえると考える人がいます。
残念ながら違います。
夫婦でいた機関に2人で納付した年金保険料を合算して折半し、それぞれがその金額を納めたことにする制度です。
具体的な金額は、年金事務所にて年金シミュレーションしてもらう他ありません。
離婚を検討したら、年金シミュレーションをしてみましょう。
実際の年金額を知っているかどうかで見通しはまったく変わってくるはずです。
以上、60代の離婚について説明してきました。
やはり、生活の見通しを立て、財産分与をしっかりとしてまとまった財産を受け取ることが重要です。
金額大きくなるからこそ専門家である弁護士に依頼して後悔しないようにすることが大切です。
まずは専門家である弁護士に相談しましょう。
是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
数千万単位の財産分与をする離婚を多数扱ってきた経験とノウハウから適切なアドバイスをさせていただきます。

島法律事務所
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。
初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>
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