専業主婦が離婚するとき財産分与はできるか

財産分与は、婚姻期間に形成した財産は基本的に夫婦で分けるというものです。
財産分与の割合については、原則として2分の1となります（医師や芸能人など個人の能力・才能で多額の収入を得ている場合には修正されることがあります）。

夫が働いていて、妻が専業主婦というケースでは、妻も家事や育児によって夫を支えることによって財産形成に貢献をしているといえます。そのため、妻が専業主婦であったとしても、財産分与の割合は、原則として2分の1です。

ですので、専業主婦の方も当然財産分与を請求できます。
専業主婦をしていた方が働き始めた場合、当初は収入も多くないこともありますので、財産分与でしっかりと請求しましょう。
以下、個別の問題について説明していきます。

財産の調査

財産分与をする場合には、どのような財産が対象となるのかを把握し、しっかりと調べることが大切です。

財産分与の対象となる財産は、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産です。
財産分与の対象かどうかは、当該財産の名義ではなく、夫婦の協力によって維持形成されたかという実態によって判断されます。

具体的には、

・現金、預貯金
・不動産
・退職金
・自動車
・有価証券、投資信託
・生命保険や学資保険の解約返戻金
・借金やローンなどの負債

その一方で、夫婦の協力とは無関係に形成された財産については、財産分与の対象にはなりません。このような財産を「特有財産」といいます。

具体的には、

・結婚前から持っている財産
・親から相続した財産
・親族から贈与を受けた財産
・別居中に取得した財産

などがあります。

財産の調べ方

まずは、相手に対してすべての財産を調べてみましょう。

次に、相手に対し明らかにするように求めてきましょう。
調停などの手続では財産分与一覧表を作成することになります。

相手が任意に開示をしないという場合には、弁護士に依頼をして弁護士会照会という方法をとることによって、相手の財産を明らかにすることができる場合があります。
また、裁判所の調査嘱託という方法によっても相手の財産を明らかにすることができる場合があります。
相手が財産を隠している疑いがある場合には、専門家である弁護士に相談をすることをおすすめします。

相手が財産分与に応じない場合

相手が財産分与に応じない場合にはどのように対応すればよいのでしょうか。
まずは、調停を申し立ててください。
財産分与を希望するといえば、裁判所は、財産は出してくださいとしかいいません。
余程強情ではなければ、出してくることが殆どです。

中には、財産分与自体を拒む人もいますが、その場合調停不成立となり、訴訟となります。

訴訟となれば、裁判所から相当な圧力がかけられて財産の開示が求められ、それでも開示しないと開示しないものに不利な離婚条件となることがあり、調査嘱託を簡単に認めてもらえるようになります。

財産分与を拒まれたら裁判所の手続を利用しましょう。

なお、財産分与の請求は、離婚後2年にしなければなりません。2年を超えると、一切請求できなくなります。

財産分与を拒まれてしまうと、非常に面倒なことになります。
何をきっかけに状況を打開するかは事案ごとに変わってくるため、専門家の助けが必要です。
弁護士照会や調査嘱託は、弁護士の助けが必須といえます。

また、財産分与は何も知らないでやると、上手く丸め込まれてしまいます。
相手が不動産の価値を○○円と言った時に、その金額が納得いかない場合、ご自身で根拠を持って反論できるでしょうか。
やはり、プロである弁護士の助けが必要ではないでしょうか。

以上、専業主婦が離婚する際の財産分与について説明してきました。
専業主婦の方にとって、財産分与で得る金額如何でその後の生活が一変します。
後悔をすることがないように、まずは専門家である弁護士に相談しましょう。
是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
離婚弁護士ならではのアドバイスをさせていただきます。