不倫相手からのよくある反論について

配偶者が不倫をして、その相手方にも慰謝料を請求することがあります。

その際、よく用いられる言い訳があります。

ここでは、その言い訳について説明していきます。

１　肉体関係はなかった

不貞行為そのものを否定してくることがよくあります。

「浮気していない」「性行為をしていない」と平然と反論してくることがあります。

そうなると証拠の有無が結果を分けます。

ご自身の主張を裏付ける証拠により再反論していくことになります。

中にはラブホテルを出入りする写真など明確な証拠があっても、同様の主張をしてくる場合もあります。

そのような人間は改心しませんので、即訴訟に移行しましょう。

２　既婚者であると知らなかった

不倫相手から「既婚者とは知らなかった」という反論を受けるケースもよくあります。

ただし、既婚者と知らなかったとしても「不注意によって気づかなかった」のであれば「過失」が認められます。故意がなくても過失があれば不法行為が成立するので、慰謝料請求は可能です。

本当に知らなかったことを立証するのは中々簡単ではありません。

最近多いのは独身限定のマッチングアプリで出会ったという言い訳です。

そのことを示す証拠があれば、一定の証拠にはなり得ます。

他には、婚活パーティで知り合ったなどもあり得ます。

３　すでに夫婦関係は破綻していた 

不倫の慰謝料請求をすると「不倫を開始したときにすでに夫婦関係が破綻していた」と反論されるケースもよくあります。

確かに、本当に不倫開始時に夫婦関係が破綻していたら、慰謝料は発生しません。

ただし、破綻していたという判断は裁判所もよほどのことがない限り認めません。

よくある

「妻には愛想が尽きている。分かれて一緒になりたい。」

「仮面夫婦で家庭内別居している。」

というレベルの話では相手にもされません。

客観的な証拠と一緒に、破綻しているという状況が必要です。

４　時効が成立している

慰謝料請求権の時効期間は、基本的に以下のとおりです。

 不貞の事実と不貞相手を知ってから3年間

不貞があってから20年間

不貞の事実だけではなく「不貞相手」も知ってから3年の経過を要するので、単に「不倫から3年が経過しただけ」では時効は成立しません。

不貞していることを知り、相手も分かっているのに放置する人はそもそも慰謝料を請求しないので、なかなか時効が成立するケースはありません。

５　誘いを断れなかった

慰謝料を支払うことを免れませんが、主体的ではなかったという理由で、多少の減額が認められる可能性があります。

また、不倫は共同不法行為のため、配偶者と不倫相手の関係は連帯責任になるので、基本的に全額請求できます。

あとは配偶者と相手方の割合負担の話となります。

夫婦関係を再構築する際は、財布は一緒になるため、相手への慰謝料が大きく減額されることもあり得ます。

６　強要された

不倫相手から肉体関係はあったが、無理矢理関係を強要されたので、自分に責任はないと反論されるケースもよくあります。

本当に強要されて拒絶する余地がなかったのであれば慰謝料は発生しません。

その場合、刑事事件にもなりうるため、不貞慰謝料請求どころではなくなる可能性もあります。

ただ、なかなかそういったケースは存せず、こういう反論には冷静な対応が必要です。

以上、不倫相手からの反論について説明してきました。

実際、相手の反論がどのように影響を与えるかは、事案によって変わってきます。

そのあたりを一般の方が判断するのは難しいと思います。

まずは専門家である弁護士に相談しましょう。

是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。

不貞慰謝料請求を多数扱ってきた経験とノウハウから適切なアドバイスをさせていただきます。