不倫を公表したら責任を問われることはあるのか

配偶者の不倫が発覚し、夜も眠れずに過ごし、当事務所に相談へいらっしゃる方の中には

「お金ではなく社会的に大きなダメージを与えたい」

という方もいらっしゃいます。

ただ、不倫をしたからといって何をしてもいいという訳ではなく、一定の限度があります。

 ここでは、不倫の公表により、どのような責任を負うかについて説明していきます。

 

1 名誉棄損

まず、名誉毀損に該当すると牽制されることがあります。

これについては、常軌を逸するような不穏当な方法を用いない限り、刑事事件になる可能性はほとんどないといえます。

 

名誉毀損とは「公然と事実の摘示によって他人の社会的評価を低下される行為」です。

「公然と」とは不特定多数の人へ伝わっていくことです。職場やネットへ情報提供すると、そこから多くの人へ伝わっていく可能性があるので「公然と」といえます。

 

「事実の摘示」とは、何らかの事実を掲示することです。不倫をしたことは事実なので、「不倫している」と書き込むと「事実の摘示」となります。

 

また、不倫は通常「人の社会的評価を低下させる」ものなので、不倫の事実を職場で広めたりネットに書いたりすると形式的には名誉毀損となります。

 ただ、一私人の不貞行為の存在の公表で警察が捜査を開始するほどの時間もマンパワーもありません。

 極限的な場合に限定されるでしょう。

 

2 慰謝料請求される

不倫相手に名誉毀損に当たる行為をすると、相手から慰謝料を請求される可能性があります。

名誉毀損自体が相手の権利を侵害する違法行為だからです。

刑事事件と異なり、これは可能性があります。

離婚や不貞行為の慰謝料請求をしていれば、一部相殺されるかもしれません。

 相手が、単体で慰謝料請求をしてくるケースはおよそ見たことがありません。

多くの場合、不貞した側に代理人が就き、牽制の意味で「場合によっては慰謝料請求する」と言ってくるがほとんどです。

 

 

3 侮辱罪について

ネット上で相手を罵倒した場合には「侮辱罪」が成立する可能性があります。

侮辱罪とは、公然と事実の摘示以外の方法で人の社会的評価を低下させた場合に成立する犯罪です。

 

名誉毀損罪は「事実の摘示」を行いますが、侮辱罪は「事実の摘示以外の方法」である点に違いがあります。

しかし、名誉棄損と同じく、このような事案に捜査機関がわざわざ動くには相当の理由が必要となります。

日本の警察はそんなに暇ではありません。

やはり侮辱されたことを理由とする慰謝料請求がせいぜいといえます。

 

4 プライバシーの侵害

不倫を公表すると、相手のプライバシー権を侵害してしまう可能性もあります。

プライバシー権とは、未公開の私生活上の事実をみだりに公表されない権利です。

 

不倫は通常未公開ですし、社会に知られたくない私生活上の事実といえるでしょう。広範囲に公開するとプライバシー権侵害になる可能性があります。

この場合もそのことを理由とする慰謝料請求をすることになります。

 

5 業務妨害

不倫の事実の公表が業務妨害となる可能性も一応あります。

不倫相手が個人事業主や会社経営者であり、ネット上で相手の誹謗中傷を行って業務に支障を与えた

不倫相手の職場へ行って怒鳴ったり暴れたりして業務に支障を及ぼした

 などです。

しかし、刑事事件となるのは余程のケースに限られます。

 

6 決着させるために

やはり不貞行為についての公表は、不貞をされた場合被害者なのに慰謝料請求されるおそれがあり、した側は社会的評価が低下するおそれがあります。

双方にとって、後腐れなく終結するには、まずされた側が納得する慰謝料を支払うことが大前提であり、その上で、秘密保持条項を設けておくことが大切です。

 

7 弁護士に依頼する

  不貞の慰謝料では、弁護士に依頼することがほぼ必須と言えます。

  された側は、そうしたないと無視されることが殆どであり、した側には、そうしないと会社に報告されたり、まだ気づいていない自身の配偶者にばれて家庭が崩壊する恐れがあります。

  された側は、弁護士に依頼することで、請求を確実にし、しっかりと慰謝料を回収し、相手からの慰謝料請求を防ぐことができます。

  した側は、以後相手からの連絡は弁護士にのみ行くことになり、不倫を公表され自身の生活を脅かされる可能性が減り、適正な慰謝料で示談できる可能性が上がります。

 

以上、不倫を公表したときの責任について述べてきました。

事案ごとに対応が変わってくるため、まずは専門家である弁護士に相談しましょう。

是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。

不貞の慰謝料問題を多数扱ってきた経験とノウハウから適切なアドバイスをさせていただきます。

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

離婚に強い弁護士に
相談・依頼する
メリット
もっと見る
お一人で抱え込まず、
弁護士にご相談ください。
お一人で抱え込まず、弁護士にご相談ください。
初回相談無料
神奈川県横須賀市大滝町1-25ー1
横須賀ベイビュービルディング5階
初回相談無料 受付時間 平日 9:00~18:00 夜間応相談
-->