ラブホテルに行ったけど浮気はしていないという言い訳は通用する?弁護士が徹底解説

1. 「ラブホテルに行ったが何もしていない」は裁判で通用するのか?

パートナーの浮気を疑い、ラブホテルに出入りする証拠を突きつけたとき、「確かにホテルには入ったけれど、絶対に何もしていない(肉体関係はない)」と苦しい言い訳をするケースは非常に多く見られます。
しかし結論から言うと、このような言い訳が裁判所で通用することはほぼ100%ありません。
法律上の浮気(不貞行為)とは、「配偶者以外の異性と自由な意思で肉体関係(性交渉)を持つこと」を指します。
裁判所は、ラブホテルという場所が「性行為を行うことを目的とした特殊な宿泊施設」であるという社会的常識を前提としています。
そのため、既婚者が配偶者以外の異性と二人きりでラブホテルに入り、一定時間(おおむね45分〜数時間以上)滞在したという事実が写真や動画で証明されれば、「密室で肉体関係があった」と強く推認(事実上断定)されます。
「ただ相談に乗っていただけ」「仕事の打ち合わせをしていた」「相手が酔い潰れたから介抱していた」といった言い訳は、すべて「不合理な弁解」として一蹴され、不貞行為が認定されるのが実務上の基本ルールです。

2. ビジネスホテルやシティホテルの場合はどうなる?

では、出入りした場所がラブホテルではなく、ビジネスホテルやシティホテルだった場合はどうでしょうか。
ビジネスホテルの場合、出張や仕事の打ち合わせなど、宿泊以外の正当な目的で利用されることも多いため、単に「ホテルのロビーや正面入り口に二人でいた」というだけの写真では、すぐに不貞行為とは認められません。
しかし、「ダブルベッドの部屋に二人きりで宿泊した」「時間差で同じ部屋に入室し、翌朝まで長時間滞在した」という事実を証明できれば、ラブホテルと同様に不貞行為があったと強く推認されます。
ホテルの種類に関わらず、「異性と二人きりで同じ客室という密室に長時間滞在した」という事実こそが、肉体関係を裏付ける最大のポイントになります。

3. 肉体関係がなくても慰謝料を請求できるケース

不貞行為(肉体関係)の決定的な証拠がない、あるいは本当に肉体関係がなかった場合でも、慰謝料を請求できる可能性があります。
裁判例では、性交渉そのものが証明できなくても、それに準ずる親密な行為(衣服の上から身体を触り合う、裸で抱き合う、キスを繰り返すなど)があった場合、夫婦の平穏を害する不法行為として慰謝料請求を認めています。
また、肉体関係の証拠が不十分であっても、「社会通念上許容される限度を超えた親密な交際」が行われていれば、慰謝料の対象になります。
例えば、毎日のように「愛している」「早く離婚して一緒になろう」といったLINEを送り合ったり、頻繁に二人きりで泊まりがけの旅行に行ったりする行為は、夫婦関係を破綻させる原因(婚姻を継続し難い重大な事由)として評価され、数十万円から100万円程度の慰謝料が認められるケースがあります。

4. 慰謝料の相場と金額を左右する要素

不貞行為が認められた場合の慰謝料の相場は、おおよそ50万円から300万円程度です。
この金額に大きな幅があるのは、浮気発覚後の夫婦関係がどうなったかによって相場が変わるためです。

・離婚せずに夫婦関係を修復する場合:50万円〜100万円程度
・浮気が原因で別居に至った場合:100万円〜200万円程度
・浮気が原因で離婚に至った場合:200万円〜300万円程度

さらに、不倫の期間が長い、肉体関係の回数が多い、未成年の子どもがいる、不倫相手が妊娠した、不倫発覚後に悪質な嘘をつき続けた(反省していない)といった事情があれば、慰謝料が増額される要因となります。
逆に、不倫期間が短かったり、すぐに謝罪して関係を絶ったりした場合は、減額される要因になります。

5. 証拠が不十分なうちに感情的に問い詰めるのはNG

パートナーのラブホテルのレシートを見つけたり、LINEを盗み見たりして浮気を確信したとき、激しい怒りからすぐに「浮気してるでしょ!」と問い詰めたくなる気持ちは痛いほどわかります。
しかし、確実な証拠(探偵の報告書や顔がはっきり映った出入り写真など)が揃っていない段階で問い詰めるのは絶対にやってはいけないNG行動です。
「ホテルには行ったけど何もしていない」「仕事の相談だ」とシラを切られるだけでなく、相手に警戒されてしまい、その後の密会を控えたり、LINEの履歴をすべて消去されたりして、決定的な証拠を集めることが不可能になってしまいます。
言い逃れができない確実な証拠を確保するまでは、決して気づいている素振りを見せず、相手を泳がせておくことが慰謝料請求や離婚を有利に進めるための鉄則です。

6. 「何もしていない」という言い訳が通った超レアな判例

基本的にはラブホテルへの出入り=不貞行為確定ですが、ごく稀に、ラブホテルに出入りした事実があっても不貞行為が否定された裁判例が存在します(福岡地裁 令和2年12月23日判決)。
この事件では、男女が複数回ラブホテルに宿泊した事実がありました。
しかし、二人が精神世界の相互学習を行う「師弟関係」という特殊な関係であったこと、ラブホテルを利用した理由が「DVDの視聴や学習のため」と合理的に説明できたこと、そして何より「肉体関係は諦めた」「欲望のままにセックスしたいなんて言えない」といった、性交渉が“なかったこと”を強く裏付けるLINEのやり取りが多数残されていました。
裁判所は、これらのLINEの内容から「性交渉があったという推認には重大な疑問が残る」として、例外的に不貞行為を認めませんでした。
ただし、これは証拠によって特殊な事情が完全に裏付けられた極めて異例のケースであり、一般的な浮気トラブルでこのような言い訳が通用することはまずあり得ません。

7. 浮気トラブルは証拠を持って弁護士へ相談を

「ラブホテルには行ったが何もしていない」という不合理な言い訳を繰り返すパートナーや不倫相手と直接交渉しても、話は平行線をたどり、精神的に消耗するだけです。
また、相手の言い訳に丸め込まれてしまったり、怒りに任せて「会社にバラす」と脅してしまい、逆に恐喝罪に問われたりするリスクもあります。
確実な証拠を手に入れたら、まずは浮気・離婚問題に強い弁護士に相談してください。
弁護士が介入すれば、相手の苦しい言い訳を法的な根拠と過去の判例をもって完全に論破し、適正な金額の慰謝料を支払わせることができます。
また、配偶者と不倫相手のどちら(または両方)に慰謝料を請求すべきか、離婚を視野に入れた有利な条件交渉など、あなたの未来を守るための最適な戦略を立ててくれます。
是非島・鈴木法律事務所初回無料相談をご利用ください。
離婚弁護士として事案に即した適切なアドバイスをさせていただきます。

執筆者
島武広 
島・鈴木法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

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