モラハラ加害者が優しくなるハネムーン期の注意点 弁護士が徹底解説

1. モラハラの恐怖のサイクル「ハネムーン期」とは何か

モラルハラスメント(モラハラ)やDVの加害者は、365日ずっと暴言を吐き続けているわけではありません。
モラハラには、「緊張形成期」「爆発期」「ハネムーン期」という3つの周期(サイクル)があり、これを永遠と繰り返すという特徴があります。
「緊張形成期」は、加害者が些細なことでイライラし始め、家庭内にピリピリとした空気が漂う時期です。
続く「爆発期」で、溜まったストレスが限界に達し、激しい暴言や無視、経済的な締め付けなどのモラハラ行為が表面化します。
そして、モラハラが爆発した後に訪れるのが「ハネムーン期」です。
この時期、加害者は突然別人のように平謝りし、「もう二度とあんなことはしない」「本当に愛しているのはお前だけだ」と優しくなり、高価なプレゼントを買ってくることもあります。

2. ハネムーン期の優しさに隠された加害者の心理と罠

ハネムーン期の優しい態度は、決して心からの反省や悔い改めによるものではありません。
これは、「被害者が自分の元から逃げてしまうかもしれない」という恐怖に対する防衛本能であり、被害者を自分の支配下に繋ぎ止めるための巧妙な戦術なのです。
被害者は、度重なる暴言で精神的に追い詰められているため、この突然の優しさに触れると「本当は優しい人なんだ」「私が怒らせなければいいんだ」「これで元の仲良し夫婦に戻れる」と錯覚してしまいます。
しかし、このハネムーン期は長くは続かず、しばらくすると必ずまた「緊張形成期」へと戻り、同じサイクルが繰り返されます。
しかも、サイクルを繰り返すたびに、モラハラの頻度は増し、暴力や暴言の程度はより深刻にエスカレートしていくと言われています。

3. 同居を継続することで生じる法的なリスク

離婚を切り出した途端に加害者がすがりついてきたからといって、安易に「じゃあ、もう少し様子を見よう」と同居を続けてしまうのは危険な行為といえます。
民法上、裁判で離婚を認めてもらうためには「婚姻を継続し難い重大な事由」などの法定離婚原因が必要です。
長年のモラハラを理由に離婚を主張しても、ハネムーン期の甘い言葉に負けて同居を続けたり、性交渉を持ったりしてしまうと、裁判所から「過去のモラハラは一度許され、夫婦関係は修復された(関係が破綻していない)」と判断されてしまうリスクがあります。
また、同居を続けていると、せっかく集めたモラハラの証拠(録音データや日記など)を加害者に勝手に処分されてしまったり、スマートフォンを漁られたりするトラブルも発生しがちです。

4. ハネムーン期に被害者が取るべき正しい対応策

加害者が涙を流して謝罪してきたとしても、決してその場で許す言葉や関係修復を約束する返事をしてはいけません。
「ひどい言葉に傷ついており、すぐに気持ちの整理はつかない」「冷却期間が必要だ」と伝え、毅然とした態度を崩さないことが重要です。
そして、相手が油断して優しくなっているハネムーン期こそ、安全に別居を実行する最大のチャンスです。
モラハラ加害者は、別居話を切り出された瞬間に再び「爆発期」に突入し、激昂して妨害してくる可能性が高いため、相手に悟られないよう計画的かつ迅速に家を出る必要があります。
別居する際は、相手の追跡を防ぐため、行き先を告げずに置き手紙だけを残すなどの工夫も必要です。

5. モラハラ離婚を成功させるための証拠集め

モラハラで離婚や慰謝料を請求するためには、客観的な証拠が必要不可欠です。
加害者が暴言を吐いている最中の録音や録画データ、モラハラ発言が記録されたメールやLINEの画面保存などが非常に有効です。
また、日々の暴言や無視の内容、日時を具体的に記録した日記やメモ、精神的苦痛によって心療内科等を受診した際の診断書なども重要な証拠となります。
警察や配偶者暴力相談支援センターなどの公的機関へ相談した際の記録も、第三者による客観的な証拠として認められやすい傾向にあります。
ハネムーン期の謝罪の言葉(「あんなひどいことを言って悪かった」など)を録音できれば、過去のモラハラ行為を本人が自白した間接的な証拠となる場合もあります。

6. 離婚後のストーカー化「ロミオ化」にも要注意

モラハラ加害者は、別居後や離婚後であっても、被害者への執着を捨てきれないことが多くあります。
離婚後に突然「お前を一番愛しているのは俺だ」「俺にはお前しかいない」といったポエムのような復縁メール(通称ロミオメール)を送りつけてくるケースが少なくありません。
これに心を揺さぶられて会ってしまったり復縁してしまったりすると、再びモラハラのサイクルに引きずり込まれ、二度と逃げ出せなくなってしまいます。
離婚が成立した後も、安易に連絡を取らず、毅然とした態度で距離を置き続けることが、真の平穏を取り戻すための鉄則です。

7. 弁護士を代理人に立てて安全に離婚を進める

モラハラ加害者との直接の話し合いは、相手のペースに巻き込まれたり、ハネムーン期の甘い言葉で丸め込まれたりする危険性が極めて高いため、絶対に避けるべきです。
このような場合は、モラハラ離婚に精通した弁護士を代理人として立てるのが最も安全で確実な方法です。
弁護士が受任通知を送付した後は、加害者は被害者に直接連絡を取ることができなくなり、すべての交渉を弁護士が窓口となって進めます。
これにより、加害者からの威圧的な連絡や引き止めから身を守りつつ、婚姻費用の請求や財産分与など、法的に有利な条件での離婚協議を進めることが可能になります。
ハネムーン期の優しい言葉に迷いが生じたときこそ、一人で悩まずに早急に専門家である弁護士に相談してください。
是非島・鈴木法律事務所初回無料相談をご利用ください。
離婚弁護士として事案に即した適切なアドバイスをさせていただきます。

執筆者
島武広 
島・鈴木法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

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