性格の不一致で離婚できるのか

離婚に至る理由で最も多いのがこの「性格の不一致」になります。

ただ、この性格の不一致は、民法で定める離婚事由には該当しません。

要するに、性格の不一致だけでは離婚できないのです。

そうはいっても、皆さんがご存じの通り、性格の不一致で離婚する方が殆どなので、離婚できる方法がないことはないのです。
以下で述べていきます。

1 双方合意して協議離婚する

協議離婚は、夫婦双方が合意していれば理由を問われることはありません。

ですから、配偶者の方が、「離婚してもいい」といってくれれば離婚できます。

殆どの離婚が性格の不一致というのは、双方ともに離婚することを合意している方が一番多く、そういった方たちが浮気やDVなどがなくても離婚するときに「性格の不一致」とおっしゃる方が多いというのが理由となります。

2 調停で話合い調停離婚する

調停は話合いの場ですが、その手続きにおいて、法定の離婚事由がなくても、性格の不一致を強調して、絶対に戻らない固い決意を伝え続けていけば、相手が折れて離婚が成立することがあります。

特に、相手が男性であると、半年から1年で「もういいや」と離婚に応じてくれるケースが多くなります。

また、調停は第三者である調停委員が間に入って話合いをしますので、他人を介するだけに離婚への真剣味が相手に伝わり、また、調停委員もこちらが固い決意を示せば、離婚に向けて考えた方が良いのでは?とサポートしてくれます。

更に、こちらが弁護士をつければ、相手方も弁護士をつける可能性が高くなり、双方に弁護士がつけば、離婚の意思を強固に示せば、相手方弁護士も説得してくれることが多いと言えます。

3 別居する

別居すればケースにもよりますが、およそ3年程度で離婚事由となります。

最も時間がかかりますが別居さえ開始すればいつの日か離婚出来ることになります。

実はこのことを逆手に取れば、離婚の時期を前倒し出来ます。

というのは、別居を開始し、調停申立を行えば、最悪別居から3年で離婚が認められるので、タイムスケジュールをうまく用いて、この流れだと結局離婚に至るという状態にするのです。

そうすると、相手方代理人も「結局こういう結末になる」ということを依頼者に説明せざるを得ませんし、訴訟になれば裁判官が全力で「どうせ離婚するのだから」と説得してくれます。

このような状況に抗って、判決まで取得して更に控訴して高裁へ行く人は殆どいません。

結局、流れに沿って離婚を受け入れる方が圧倒的多数になります。

更に、別居した側の収入が低ければ、婚姻費用を請求することで相手にプレッシャーをかけることが出来ます。

私の事務所は、かなり婚姻費用において徹底的に争うのですが、それはその結果次第で離婚の行く末が決まると言っていいくらい大事なことだからです。

離婚を求めて別居したなら、少しでも高い金額の婚姻費用をもらうことで相手方に離婚を決意させる可能性が高まるのです。

4 性格の不一致では慰謝料を請求できない

性格の不一致を理由に離婚する時、慰謝料を請求できるのでしょうか?

これについては、基本的にできないと考えられます。

離婚の際、慰謝料が発生するのは、相手に「婚姻関係を破綻させたことによる責任」が認められるからです。この責任を「有責性」といい、有責性が認められる配偶者を「有責配偶者」といいます。

お互いの性格が合わない場合、どちらが悪いわけでもありません。どちらにも有責性が認められないので、たとえ離婚が認められても慰謝料は発生しません。

そこで性格の合わない相手と離婚協議や調停で離婚する場合、慰謝料請求はできません。
訴訟で離婚する場合にも、長期間の別居を理由とする場合などには慰謝料が発生しません。

5.性格の不一致で離婚する手順

性格の不一致を理由に離婚したい場合、次のような手順で進めていきましょう。

5-1.相手に離婚を持ちかける

まずは、相手に「離婚したい」という意思を伝えましょう。
相手も離婚に応じるなら、協議離婚できます。

5-2.離婚について協議をする

相手が離婚に応じるとしても、いきなり離婚届を提出するのはお勧めしません。

その前に財産分与や養育費などの離婚条件を取り決めましょう。

離婚条件を決めておかないと、離婚後に財産分与請求や養育費請求が起こってトラブルの蒸し返しになる可能性があるためです。

協議離婚する際に取り決めておくべき事項は、以下の通りです。

親権
養育費
面会交流
財産分与
年金分割
慰謝料

自分達だけでどう定めて良いかわからないなら、弁護士までご相談ください。

5-3.離婚公正証書を作成する

離婚条件についてお互いに合意ができたら、必ず「協議離婚合意書」を作成して書面化しましょう。このとき、単なる合意書ではなく「離婚公正証書」にして置くことをお勧めします。

公正証書にしておけば、後に相手が養育費などを支払わなくなったときに給料や預貯金などを差し押さえることができるからです。

公正証書を作成したいときには、全国のどこかの公証役場に申込みをして、日取りを合わせて相手と一緒に公証役場に行き、公証人に離婚公正証書を作成してもらいます。

5-4.離婚届を提出する

合意書の作成も完了したら、夫婦で離婚届を作成し、役所に提出します。

5-5.離婚調停を申し立てる

自分たちで協議をしても意見が一致しない場合には、家庭裁判所で離婚調停(夫婦関係調整調停)を申し立てましょう。

調停では、調停委員が間に入って夫婦の意見を調整してくれます。

あなたの離婚意思が固い場合には、調停委員が相手を説得することによって離婚に応じさせることができるケースもあります。

調停でお互いに合意ができたら離婚が成立します。

6 さいごに

以上、性格の不一致について述べてきました。

具体的にはケースごとに採るべき手段とその都度なすべき対応が変わってきます。

迷っていることがあれば、是非一度離婚に注力する弁護士に相談することをおすすめします。

 

 

 

執筆者
島武広 
島法律事務所 
代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)

当サイトでは、離婚問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。|弁護士紹介はこちらをクリック>>

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